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人生は思いがけない出来事の連続です。
目的を見失ったまま日々をやり過ごしてしまうこともあれば、不測の事態に心を折られてしまうこともあります。そんな主人公たちが過去の自分と向き合い、少しずつ前へ進もうとする姿を描いた物語です。
不器用でも一歩ずつ行動に移していくその姿には、人が本来持っている強さがにじみます。 読み終えたあと、そっと背中を押されるような、自分も頑張らなきゃという気持ちになります。
おすすめの5作品を紹介するので、気になる作品があれば嬉しいです。
生きるぼくら / 原田 マハ
祖母の米作りに触れて止まっていた時間が動きだす
いじめを機に引きこもりとなった二十四歳の麻生人生は、頼りにしていた母を突然失います。残された年賀状の束から祖母・マーサの名を見つけ、四年ぶりに外へ踏み出して蓼科へ向かいます。
米づくりや清掃の仕事、認知症の祖母の介護に向き合う日々の中で、人生は母の苦労に思いを寄せ、周囲の優しさに触れながら少しずつ変わっていきます。
ニート生活から、いきなり人生がハードモードに切り替わったような展開で、思わず息をのみました。それでも、気づけば“農業ガチ勢”になっている人生の姿が、どこか微笑ましくて愛おしいです。
彼が育てた米で握ったおにぎりを、自分も味わってみたくなるほどでした。
こんな人にぴったり
- しばらく止まっていた時間を動かしたいと思っている
- 家族との距離感に悩んでいる
- 生活の中にある小さな優しさに触れたい
風に舞いあがるビニールシート / 森 絵都
迷いながらも自分の足で前へ進もうとする再出発
UNHCRで難民保護に携わり、現地で救済活動に力を尽くしたいエドと、日本で事務職として働きながら子どもを育て、穏やかな生活を望む里佳。
価値観の違いからふたりは離婚しますが、エドが少女をかばって命を落としたと知り、里佳は遠くアフガンへ向かう決意をします。
題名には、「吹けば飛ぶほど軽く扱われてしまう尊厳や生命」への痛切な祈りが込められています。
理不尽や不条理が渦巻く世界でも、選んだ道が正しいかどうか分からなくても、その先で何かに出会えると信じて歩むしかない。そんな覚悟が胸に迫ります。
最後に差し込まれる希望の光が圧巻で、読み終えたあとも長く心に残る作品です。
こんな人にぴったり
- 迷いながらでも前へ進みたい気持ちがある
- 世界の不条理や現実に向き合う物語を読みたい
- 読後に静かな希望を感じたい
四十九日のレシピ / 伊吹 有喜
残されたレシピが家族の心をそっとつなぎなおす
妻・乙美を亡くした熱田良平のもとへ、乙美に頼まれていたという教え子・井本がふらりと現れます。四十九日まで家事を手伝うと言い、強引なくらいの勢いで居座ってしまうのですが、その無遠慮さがどこか救いにもなる存在です。
ほどなくして、結婚生活が壊れ、離婚届だけを置いて帰ってきた娘・百合子も戻ってきます。父と娘は同じ屋根の下で、言葉にできない傷をそっと抱えながら暮らし始めます。
深い悲しみよりも、「これからどう生きていけばいいんだろう」という戸惑いが先に立つふたり。
そのそばに、金髪のヤンキー少女・井本や日系ブラジル人の青年など、少しクセがあるのに不思議と憎めない人たちが集まってきます。彼らと過ごす時間は、家の空気をゆっくり温めていき、気づけば妙にしっくりくる心地よさが広がっていきます。
乙美の残したレシピには、日々の小さなひとこまに染み込んだ愛情がそっと息づいていて、読み進めるほどに、ふたりへの想いがやわらかく伝わってきます。
こんな人にぴったり
- 家族との関係を見つめ直したい
- 誰かのさりげない優しさに救われたい
- 日常のひとこまに宿る“愛情”を感じたい
つるかめ助産院 / 小川 糸
南の島で傷ついた心がゆっくりほどけていく
夫を失い傷心のまりあは南の島を訪れ、助産院長の鶴田 亀子に出会い妊娠を告げられます。
家族の愛を知らず育った彼女は戸惑いながらも、パクチー嬢やエミリー、旅人サミー、妊婦の艶子さんら島の仲間、美しい海の気配に支えられ、少しずつ過去と向き合うようになります。
自然の恵みが息づくこの島では、生と死の神秘が静かに姿を現します。
穏やかに見える人々もそれぞれに抱えるものがあり、迷いながらも不器用に生きる姿が、まりあをそっと勇気づけます。読後にあたたかな勇気が残る物語です。
こんな人にぴったり
- 心がちょっと疲れていて、やわらかい物語に触れたい
- 南の島の空気感や自然の力に癒されたい
- 人の温度を感じる群像劇が好き
フリーター、家を買う。 / 有川 浩
小さな決意が人生を変えていく
大学卒業後すぐに会社を辞め、自堕落な生活を送っていた武 誠治。
家族の不仲や近所からの悪質な嫌がらせが重なり、母がうつ病を患ったことをきっかけに、彼は「100万円貯める」「家を買う」という大きな目標を掲げ、家族のために動き始めます。
やる気のなかった誠治が意識を変え、仕事に真正面から向き合うようになると、社長から信頼され、後輩からも頼られる存在へと成長していきます。その姿は、読んでいる私まで「この人と一緒に働いてみたい」と思わせるほどでした。
就職活動の場面では、誠治が他人を評価するように、自分自身も評価されていることを痛感します。小手先のごまかしではなく、ちょっとしたひと手間が相手に届くのだと気づかされました。
フリーターが家を買うにはもちろんいろいろな事情もありますが、それでも “夢を見ていい” とそっと背中を押してくれる物語です。
こんな人にぴったり
- 何かひとつでも行動を起こしたいと思っている
- 仕事への向き合い方を見直したい
- 前向きになれる成長物語を読みたい
おしまいのひとこと
人生の再出発に寄り添ってくれる5冊を紹介しました。 どれも読後にあたたかな余韻が残る物語です。
気になる作品があれば、リンクからチェックしてみてください。

