中学生や高校生の頃に出会いたかった青春小説【おすすめ6選】

小説

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本は絶版しないかぎり、いつでも手に取ることも出来ます。 それでも、物語には “もっとも美しく響く瞬間” があって、青春ストーリーを読むときにはとくにそう感じます。

学生時代に出会っていたら、きっと違う景色が見えていたのだろうな、と。

今回は、そんな “読むタイミングによって表情を変える青春物語” を紹介していきます。

 

かがみの孤城 / 辻村 深月
(ポプラ文庫)

中学生・仲間・ファンタジー

中学一年生のこころは、いじめが原因で学校に行けなくなり、自室に閉じこもって過ごしています。ある日、部屋の鏡が光り、彼女は “孤城” へと導かれます。そこには同じように学校へ行けない七人の中学生が集められていました。

仲間との絆が丁寧に描かれた本作は、ファンタジーの要素も相まって物語の世界に深く引き込まれます。

辻村 深月さんの作品は、痛みを容赦なく突きつけてくる一方で、その先に訪れる救いが圧倒的。胸の奥に溜め込んでいた感情が一気に解き放たれるような読後感があります。

 

失踪HOLIDAY / 乙一
(角川スニーカー文庫)

家族・誘拐・悪戯

菅原 ナオは継母キョウコとの不仲から家出し、使用人クニコの離れに潜伏します。家族の様子を覗くうち疎外感が募り、悪戯心から “狂言誘拐” を計画。しかし警察が動き、キョウコまで落ち込む姿を見て後悔し、家族への思いと向き合います。

子どもらしい無謀さが引き起こす物語なのに、読後には切なさと温かさが同時に残るのがとても好きです。

乙一さんの作品はホラー寄りか、胸に沁みる切ない系に分かれることが多いのですが、この物語はそのどちらにも当てはまらない、不思議な優しさがあります。

わがままで扱いづらいナオの性格も、読み進めるほど憎めなくて、むしろ愛おしく感じられます。

 

つきのふね / 森 絵都
(角川文庫)

中学生・犯罪・出会い

中学生のさくらは、憂鬱な毎日をごまかすように素行の悪い仲間とつるみ、万引きを繰り返していました。そんなある日、人類を救う宇宙船を開発しているという不思議な男性・さんと出会い、思いもよらない事件へ巻き込まれていきます。

彼らが進む道に “正しい答え” なんてなく、幸せにたどり着けるかどうかも分からない。登場人物のほとんどがどこか壊れかけていて、その不安定さが読者にもじわじわと伝染してきます。

胸の奥がヒリつくような感覚が、読み進めるほど強くなる。それでも、この痛みをどこかで知っている気がする。 そんな既視感のような切なさが物語全体に漂っています。

 

西の魔女が死んだ / 梨木 香歩
(新潮文庫)

中学生・不登校、祖母

中学進学後、学校へ足が向かなくなったまいは、初夏のひと月を大好きな祖母 “西の魔女” の家で過ごします。祖母から受ける魔女修行の核心は、何事も自分で決めること。

イギリス人の祖母との暮らしは、イングリッシュガーデンの似合う家でハーブを摘み、ジャムを煮込み、洗い立てのシーツにそっと花の香りを移すような、女の子が憧れる丁寧で満ち足りた時間の連続です。

そして何より、信頼できる誰かが無条件に自分を受け止めてくれること。その安心が、どれほど心の支えになるかを痛感します。

 

夜のピクニック / 恩田 陸
(新潮文庫)

高校生・行事・異父兄弟

北高の伝統行事「歩行祭」は、全校生徒が夜通し80キロを歩き抜く壮大なイベントです。甲田 貴子は三年間胸に秘めてきた秘密を清算するため、密かな誓いを抱いて参加します。

ただ歩くだけの物語のようでいて、実際には、異父兄妹であることを誰にも明かせないまま同じクラスで過ごす二人の高校生が抱える、痛みや葛藤、不器用な優しさがぎゅっと詰まっています。

そして、歩行祭というひとつの出来事が、彼らにとってかけがえのない宝物へと変わっていく。そんな瞬間が丁寧に描かれています。

 

死んだ山田と教室 / 金子 玲介
(単行本)

男子校・幽霊・真相

夏休みの終わりに、二年E組の人気者・山田が飲酒運転の車に轢かれて亡くなります。悲しみに沈む二学期初日、担任が席替えを提案した瞬間、教室のスピーカーから山田の声が響きます。魂がスピーカーに憑依したらしく、〈俺、二年E組が大好きなんで〉と語る山田と、クラスの不思議な日々が始まります。

男子校ならではのノリとテンポの良いユーモアが弾ける一方で、周囲が大人になっていく中、山田だけが成仏できない理由が明かされる場面は胸に迫ります。

笑いの裏に潜む切なさが、物語に深い余韻を残す作品です。

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