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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。
本選びの参考になれば嬉しいです!
[今月の新着記事]
:Audible
最後の晩ごはん / 椹野 道流
定食屋・幽霊・店員
『黒猫と揚げたてドーナツ』『忘れた夢とマカロニサラダ』『海の花火とかき氷』『かけだし俳優とピザトースト』『聖なる夜のロールキャベツ』
先月から聴き始めたのですが、全然飽きなくて、気づけばどんどん続きへ進んでしまいます。
男性声優さん特有の女性キャラにはだいぶ慣れてきたのですが、『黒猫と揚げたてドーナツ』に出てくる猫だけは、あまりの壊滅ぶりに思わず「えっ」と声が出ました。あとは、インターホンの無機物の音とか面白いぐらい棒読みなんです。わざとなんでしょうか?
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:小説
希望のゆくえ / 寺地 はるな
(新潮文庫)
家族・失踪・自分探し
誰からも愛された弟・希望には、誰にも言えない秘密がありました。突然姿を消した弟を追う兄・誠実は、関係者の語る姿から弟の別の顔を知っていきます。記憶を辿る中で、誠実もまた向き合えずにいた感情に気づきます。痛みを抱えた兄弟が、それぞれの「希望」を探していきます。
この作品に登場する希望は、相手の内面をそのまま映し返す鏡のような存在でした。向き合うのは少し怖いのに、気づけば “自分は彼にどう映るのだろう” と知りたくなってしまいます。
はっきりした結末ではないけれど、その曖昧さも含めて嫌いじゃないと思える作品です。
金の角持つ子どもたち / 藤岡 陽子
(集英社文庫)
中学受験・塾・葛藤
小学6年生の俊介はサッカーをやめ、難聴の妹を支えるため最難関中学受験に挑みます。塾で仲間と励まし合い、「極限まで頑張った子には金の角が生える」という言葉を胸に成長していきます。しかし彼には誰にも言えない秘密があり、その葛藤を抱えながら進む挑戦が家族と自分を変えていきます。
作品そのものはとても胸に響き、俊介の頑張りにも強く心を動かされました。一方で、中学受験や塾といったテーマが出てくると、“経済的に恵まれた家庭の話”という先入観がどうしても浮かんでしまいます。
自分の中にある偏見が作品の受け取り方に影響しているのだと気づき、少し残念にも感じました。もっと柔らかい視点で物語と向き合えたら、さらに深く味わえるのかもしれません。
シティ・マラソンズ / 三浦 しをん 他
(文春文庫)
短編集・マラソン・再生
アスリートとしての栄光の後に訪れる “空白” と、そこからもう一度スタートラインに立つ人々の姿です。走る理由は人それぞれですが、走り続けることでしか見えない景色があります。三つの都市を結ぶロードストーリー。
三浦 しをんさん、あさの あつこさん、近藤 史恵さん。スポーツを描く筆致に定評のある三人が集うこの作品集は、まさに贅沢そのものです。
どの物語も “走る” という行為の奥にある想いを鮮やかに描き出し、ページを閉じるのが惜しくなるほどでした。
山女日記 / 湊 かなえ
(幻冬舎文庫)
短編集・登山・女性
山を舞台に女性たちの心の揺れや再生を描く連作短編集。こんなはずでなかった結婚。捨て去れない華やいだ過去。拭いきれない姉への劣等感。夫から切り出された別離。いつの間にか心が離れた恋人。険しい道のりや自然の厳しさを通して、自分の弱さや本音と向き合い、一歩踏み出す力を取り戻していきます。
“イヤミスの女王” と呼ばれる湊 かなえさんの作風は影を潜め、代わりに登山を通して味わう爽快感と高揚感がまっすぐに描かれた物語でした。
各話の登場人物たちが自然につながり合い、もともと人間の内面描写に長けた作家さんだからこそ生まれる深みもあって、最後までとても惹きつけられました。
山頂を想像しては、「やっほー!」と叫びたくなります。
:漫画
カラフルアンチノミー 3
/ シバタ ヒカリ
(フィールコミックス)
女子会・本音・家族
お盆の帰省で文は母から結婚を急かされます。須良やすずとの出会いで自信を得た文は率直に思いを伝えますが否定され、心が揺れます。親を嫌いになれない気持ちと自由になりたい思いの狭間で苦しむ中、すずの意外な一言が文をそっと救います。
家族って本当に難しいです。ひとりひとりが抱える問題が違うから、どれだけ親を思っていても、相手の気持ちを全部くみ取れるわけではないし、正解もありません。
1〜2巻の友達や恋愛に対しての価値観には「なるほど」と思わされてきたのに、今回の展開で一気に深刻さが増して、心がざわつきました。
それでも、この作品が大好きだからこそ、登場人物たちには未来へ続く希望を見せてほしい。そんな気持ちで読み進めています。
大正學生愛妻家 4 / 粥川 すず
(コミックDAYSコミックス)
大正・夫婦・新婚旅行
大正10年8月、緑が輝く季節に新婚旅行でふきの故郷・修善寺を訪れた二人は、穏やかな時間を楽しんでいました。しかし、ふきの元婚約者が現れたことで勇吾の心は揺れ、川のせせらぎが響く街で過去の記憶が静かに胸を焦がしていきます。
ふきの生い立ちや元婚約者の存在に揺れながらも、最後に辿り着くのは変わらない勇吾のふきへの想い。どんな過去も、ふたりの「今」を曇らせることはないんだと感じさせてくれる。もうすっかり、幸せそのものの夫婦です。
星屑家族 上下/ 幌山 あき
(ビームコミックス)
家族・審査・切ない
子どもが親を審査する社会で、扶養審査官のヒカリは日々、親の適性を見極めています。ある日、事情を抱えた夫婦と出会い、制度の正しさと家族の意味を見つめ直すことになります。
冒頭では、子どもに非道徳的な役割を負わせる展開に戸惑い、口コミの高評価にも疑問を抱きました。それでも読み進めるうちに、納得とは違うけれど「こういうことか」と思わせれました。
切なさでいっぱいになるけれど、読み終えたあともう一度読み返したくなります。

今月のおすすめは、
湊 かなえさんの『山女日記』です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!




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