2024年03月の読書記録【小説・漫画】

読書記録

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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。

本選びの参考になれば嬉しいです。

 

天翔る / 村山 由香
(講談社文庫)

馬・エンデュランス競技・主人公の再生

学校に行けなくなった少女・まりもは、看護師の貴子に導かれ北海道の小さな牧場を訪れます。風変わりな牧場主や馬との出会いを通して、まりもは眠っていた才能を開花させていきます。未知の乗馬耐久競技〈エンデュランス〉の世界に踏み出す中で、人と馬が紡ぐ絆、命の輝き、そして再生の物語が動き出します。

古内 一絵さんの『風の向こうへ駆け抜けろ』に心を動かされて、馬の物語をもっと読みたくなり、この本を手に取りました。

世界では広く知られているエンデュランス競技も、日本ではまだ馴染みが薄く、私自身も競馬や乗馬のイメージしかなかったのでとても新鮮でした。

馬と人が紡ぐドラマがあり、どの場面にも馬への深い愛情があふれている作品です。

今宵も喫茶ドードーのキッチンで。
こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。

/ 標野 凪
(双葉文庫)

喫茶店・お一人様・コロナ禍

住宅街の奥にひっそりと佇む、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。ここには、日々のがんばりから少し逃れたいお客さんがふらりと訪れます。SNSの〈ていねいな暮らし〉に疲れたり、仕事を抱え込みすぎたりした心とからだを、店主そろりのやさしい料理がそっとほぐしてくれます。

読みやすさゆえにすぐに読み切ってしまい、もう少し浸っていたかった気持ちもありますが、物語自体はとても魅力的でした。

ラジエーションハウス 15
/ モリ タイシ・横幕 智裕
(ヤングジャンプコミックス)

放射線技師・休日・豊富な知識

甘春病院の放射線科に週刊誌記者が現れ、何かを探っている様子が不穏さを漂わせます。一方、札幌出張で煮え切らない唯織の態度に焦れた杏は、当て付けのように辻村との食事を受けてしまいます。傷ついた唯織は思い悩み、ひとり旅へと出発してしまいます。

甘春総合病院で働く仲間たちの意外な一面や、唯織のささやかな休日まで描かれ、読み応えたっぷりの内容でした。

なかでも、高性能なレントゲン機器の登場には胸が高鳴りました。技術の進化を目の当たりにしたようで、思わず息をのむほど。そして何より驚かされたのは、唯織が説明書を読むだけで新機器を使いこなしてしまうこと。専門に特化した人の強さを、改めて感じさせられます。

これからの時代、突出した技術や知識を持つ人こそが活躍していくのだと、しみじみ実感しました。

北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし 10 / 白樺 鹿夜・江本 マシメサ
(PASH! コミックス)

北欧・胸キュン・暮らし

極寒の雪国で暮らす陽気な貴族リツハルドと “紅蓮の鷲” ジークリンデは、仲間たちの恋や家族の想いに触れながら、穏やかな日々を積み重ねていきます。息子アルノーの成長も物語に温かさを添え、二人の関係はより深まっていきます。

リツハルドジークリンデと結ばれて家族が増える、あの最高の最終回。小説版から追っていたので「そろそろだ」と思っていたけれど、いざ終わると寂しさが押し寄せます。

ずっと昔に観ていた、「世界名作劇場」みたいな雰囲気でアニメ化してくれないかな。絶対に素敵になるから、心から実現してほしいです。

いのちの停車場 / 南 杏子
(幻冬舎文庫)

訪問医療・父と娘・尊厳死

救命救急医として働いてきた白石 咲和子が、故郷・金沢の在宅医療クリニックに移り、さまざまな患者の最期に寄り添う中で “生きること” と “死を受け入れること” の意味を見つめ直していく物語です。患者や家族の思いに触れながら、咲和子自身も医師として、人として成長していく姿が丁寧に描かれています。

父が最期まで訪問看護に支えられた経験があるからこそ、看取りの現場がどれほど大切かを深く感じています。

この作品で扱われる安楽死の問題も、耐え難い苦しみの中で救いを求める人が望むのであれば、その選択肢が認められる社会であってほしいと感じます。

 

猫がいなけりゃ息もできない / 村山 由佳
(集英社文庫)

エッセイ・猫・暮らし

長年寄り添ってきた愛猫・もみじとの最後の一年を記録した作品です。発病が判明してからの日々を、希望と不安のあいだで揺れながら丁寧に綴り、看病の時間や穏やかな日常、別れに向き合う心の動きが描かれます。猫と生きる喜びと喪失の痛みが胸に迫る一冊です。

もみじの愛らしさと、そっと寄り添うような生命力に触れるたび、奇跡のように思えました。17歳で旅立ってしまったのは寂しいけれど、不思議と胸の奥には温かな光だけが残っています。

 

ただいま神様当番 / 青山 美智子
(宝島社文庫)

神様・気づき・幸せ

ある日突然「神様当番」に選ばれた人々が、不思議なおじいさん神様に振り回されながら、自分の本音や大切なものに気づいていく連作短編集です。神様の願いを叶えるために奔走する中で、登場人物たちは悩みの正体と向き合い、少しずつ前向きに変わっていきます。

青山 美智子さんらしい癒される作品です。自分だって素敵なものを持っているのに、無いものねだりなことを気づかされる物語でした。

 

猫と紳士のティールーム 3
/ モリコ ロス
(ゼノンコミックス)

紅茶専門店・イケおじ・猫

街角にひっそり佇む紅茶専門店「CAMELLIA TEA ROOM」の店主・は、極度の人見知りで、心を開くのは愛猫キームン君と紅茶だけです。そんな彼の店には、金婚式を迎える老夫婦やテスト前の女子高生たちが訪れ、美しい紅茶と優しいお菓子に温かく迎えられます。

お店にケーキを卸している創業60年の「ケーキのさとう」の店長・佐藤さんも、さんも、本当に丁寧な仕事をされていて、見ているだけで惚れ惚れします。

特に常連の片出さんがモンブランを美味しそうに食べたとき、佐藤さんのほっとした表情と発した言葉に、まっすぐな誠実さを感じました。

  

  

今月のおすすめは、

村山 由佳さんの『猫がいなけりゃ息もできない』です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!

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