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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。
本選びの参考になれば嬉しいです。
幸腹な百貨店 / 秋川 滝美
(講談社文庫)
デパート・再建・食べ物
バブル世代の “気合い部長” こと高橋 伝治と若手社員たちが、閉店危機の老舗デパートを立て直すために奔走する “お仕事×グルメ” 小説です。
料理の描写が多いと思っていたら題名が「幸福」ではなく「幸腹」でした。美味しそうですが料理と絡ませる必要性は感じませんでした。
話はベタな王道なので先の展開が読めるのですが、疲れていて刺激がいらないときにはいいかもしれません。
空にピース / 藤岡 陽子
(単行本)
小学校・教師・格差社会
若い小学校教師・澤木 ひかりは、“問題校” と呼ばれる小学校に赴任します。そこには、日本語が読めない外国籍児童、教室を飛び出す子、給食だけ食べに来る子など、さまざまな事情を抱えた子どもたちがいて、困難な現実に直面しながらも子どもたちの小さな変化と希望を見つけていきます。
子供の素質もあるけど、突き詰めれば親の悪影響が大部分を占めていると思いました。子供を虐待する親って、もう親とかという以前に人としてどうなの?って憤ってしまいます。
そして教師という立場の難しさ。子供と親に挟まれ翻弄する姿は読んでいるだけでもしんどかったです。澤木先生の子供を守るという強い信念とその行動力にはもう頭が下がりますね。
彼女が扱った事例は日本ではたくさんあり、国は少子化問題を重要視しているけれど、生まれてきた命や尊厳を守る努力もするべきだと思います。
この本を読んで、子供の心が歪んで壊れてしまってからでは、もう遅いのだと危機感を感じました。
Artiste 1~9 / さもえど 太郎
(バンチコミックス)
フランス・レストラン・人間関係
気弱で自己主張が苦手な青年料理人ジルベールは、卓越した味覚を持ちながらも要領の悪さから皿洗いに甘んじています。そんな彼の才能に気づいたシェフ・カルマンやメグレーに導かれ、新たな厨房で再出発することになり、多忙な日々の中で仲間たちと交流しながら、料理人としての腕と人間性を磨いていきます。
気づいたときには巻数が出ていて買うのを躊躇していましたが、もっと早くに買えば良かったです。
根暗な主人公が仲間と向き合っていくことで変わっていく大好きな設定でした。登場人物の個性がみんな強すぎだけど、ちゃんと悩みとかも持っていて人間らしさを感じます。
この作品は何回も読むと確信しています。
最後の秘境 東京藝大 1~4
/ 二宮 敦人・土岐 蔦子
(バンチコミックス)
実話・東京藝大・特殊な人々
東京藝術大学を舞台に、常識を軽々と飛び越える学生たちの姿を追ったノンフィクション。著者・二宮 敦人さんが妻で藝大出身の彫刻家を案内役に、ユニークすぎる授業、破天荒な制作風景、芸術に人生を捧げる若者たちの情熱と葛藤を取材していきます。
「天才と変人は紙一重」と言っていいほど、特殊な人たちが登場します。
ちょっと気になってブラジャーウーマンさんを検索したところ写真が出てきたので、文字を書くからくり人形を部品からすべて自分で作り上げた工芸科漆芸専攻の佐野さんも検索してみました。この作品、知ってる!ってなりましたね!!
二宮さんの小説は怖いのしか読んだことがなかったので、奥さんとこんなに仲が良いなんて意外でした。
手のひらねこ 1 / 鷹野 久
(バンチコミックスコラル)
ファンタジー・妖精・猫
高校1年生の奏の前に、手のひらサイズの幻の猫が突然現れます。気に入った相手の家に棲みつくというその猫は彼の部屋に居つき、その小さな存在に「ふわふわ」と名付けます。秘密の同居生活を続けるうちに、奏の日常には優しい変化が生まれ、ふわふわとの時間が彼の心を静かに癒していきます。
初めて読んだときには若干の物足りなさを感じたものの、何回か読むうちにじんわりきます。
この作者さんは以前にも『骨董猫屋』という猫漫画を出版していて、猫好きの作者が描いた作品だなと感じます。
ぬくとう君は主夫の人 / 磯谷 友紀
(バンチコミックス)
一巻完結・主夫・家族
主夫として家事と育児を担う抽冬 優太は、仕事熱心な妻・歩香と10歳の娘・優香と暮らしている。思春期の娘との距離感に悩みつつも、家族を支える日々は温かく、時に外で“主夫”として肩身の狭さを感じながらも、自分らしい生き方を模索していくホームドラマ。
作者の磯谷 友紀さんが好きならともかく、可もなく不可もなく少し中途半端に感じました。
主人公のキャラクターの弱さや、主夫でいることの醍醐味が伝わってこないことが気になってしまいます。突き抜けた話でもいいから、もっと極めて欲しかったのが本音です。
鹿の王 1~4 / 上橋 菜穂子
(角川文庫)
ファンタジー・黒狼病・人とのつながり
謎の病「黒狼熱」が広がる世界で、元戦士ヴァンが少女ユナと出会い、彼女を守りながら病の真相に迫っていく物語です。帝国同士の対立や医術者たちの葛藤、民族の誇りが複雑に絡み合い、人々が運命に翻弄される姿が描かれます。ヴァンはユナを守る中で自らの過去と向き合い、世界の均衡を揺るがす選択を迫られていきます。
この作品は有名すぎて、すっかり読んだ気になっていました。
追う者と追われる者の攻防戦だと思っていたのですが、近いようで遠かったです。
広大な土地に蔓延しつつある黒狼病を食い止めるべく、独角の頭であったヴァンと医師であるホッサルの二人の男性の目線で描かれたものでした。
様々な国と部族の思惑が複雑に絡み合い傷つけあう物語は、二転三転して目が離せません。
そして忘れてはいけないのが、人間同士のつながりを描いていることです。
孤独だったヴァンにはユナをはじめ家族とも思えるかけがえのない人々が存在するようになり、病の究明に没頭するホッサルには同じ志をもって奮闘する仲間たちがいます。
壮大な物語と登場人物のきめ細やかな心情に、さすが上橋 菜穂子さんってなります。
Shrink~精神科ヨワイ~ 11
/ 月子・七海仁
(ヤングジャンプコミックス)
精神科医・解離性同一性障害・アンガーマネジメント
解離性同一性障害編の完結とアンガーマネジメント編の開幕という2本柱で進む、シリーズの中でも特に“心の深層”に迫る巻です。
解離性同一性障害の患者の重森 一葉さん。多重人格のなかに凶暴性のある黒幕さんの登場で続きが気になっていたので、良い形で決着が着いたのにホッとしました。
後半に載っているアンガーマネジメントで悩む50歳のサラリーマンの昭川さん。自分の中で起こる怒りを抑えきれず部下に感情的に当たってしまう話は、残念ながら私にも身に覚えがあります。
中堅の立場で新人の教育係を任されることが多く、怒鳴りはしないけどイラつくことが多かったです。
長く同じところにいると自分の中での普通や常識を作ってしまい、それから外れると批判的になってしまうので気をつけねばと思いました。

今月のおすすめは、
上橋 菜穂子さんの『鹿の王』です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!



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