ユーモア満載の漫画家・川原泉さんを堪能しよう! おすすめBEST3

漫画

※本ページにはプロモーションが含まれています。

高校生の頃、私は毎月のように『花とゆめ』を買っていました。けれど、誌面に載っていた川原 泉さんの漫画だけは、どうしても距離を置いてしまっていたんです。

素朴な絵柄も、細やかなコマ運びも、当時の私には “よく分からない世界” に見えていました。そんな記憶すら薄れかけていた社会人のある日、知人がふと『銀のロマンティック…わはは』を手渡してくれました。

あの頃には拾えなかった優しさやユーモアが、今の自分には驚くほど自然に染み込んでくる。読み進めるほどに、「どうして昔は気づけなかったんだろう」と思わず笑ってしまうほどでした。

気づけば、ページを閉じるのが惜しいほど夢中になっていて、まるで、長い時間をかけてようやく出会い直した作品のようです。

その一冊を読んだ瞬間から、“もっと知りたい” という気持ちに火がつき、気づけば他の作品も夢中で読みあさっていました。

※『銀のロマンティック…わはは』は、上記の文庫本に収録されています。

 

第1位 笑う大天使(ミカエル)
(白泉社文庫) 

お嬢様・高校生・友情

史上最強の名門お嬢様学校に通う猫かぶりのお嬢様、斎木 和音更科 柚子。訳ありの旧伯爵令嬢 司城 史緒が転校してきたことで、息詰まりだった学校生活でのかけがえのない友達になり、巻き起こる騒動に三人で果敢にも立ち向かっていきます。

和音さんには父親の秘書で彼女のお世話係の若月 俊介さん。柚子さんには担任のロレンス先生。史緒さんには生き別れて再会した兄の司城 一臣さん。厳しくも温かく見守ってくれるイケメンの男性陣たち。

それぞれにちゃんとしたエピソードがあって、とくに柚子さんの『オペラ座の怪人』は号泣ものです。

この作品は彼女らの卒業式で幕を閉めるのですが、嬉しいけれど寂しいような複雑な気持ちで胸がいっぱいになります。

 

第2位 中国の壺
(白泉社文庫)

高校生・家族・ファンタジー

高校生の安曇 志姫が、亡き父から受け継いだのは、先祖代々伝わる古い壺。その中には、1300年前から住み着いている中国人・趙 飛竜がいます。特別な力を持つわけでもなく、ただ静かに安曇家の人々を見守り続けてきた存在です。

題名や表紙だけを見ると壮大な歴史物語のようにも思えますが、実際は、母の再婚でどこかぎこちない家庭に身を置く志姫と、壺の中の飛竜が紡ぐ、のんびりとした日々が中心に描かれています。

ずっと壺の中で時を過ごす飛竜のことを思うと、胸の奥が少し切なくなります。それでも、志姫と、これから続いていく安曇家の子どもたちと、穏やかに寄り添いながら暮らしていけますようにと願わずにはいられません。

 

第3位 美貌の果実
(白泉社文庫) 

高校生・ワイナリー・恋愛

とあるグルメ評論家の賛辞を受け、一躍注目を集めることになった甲州の独立ワイナリーを営む秋月家。しかし忙しさが増した矢先、父と兄は不運な交通事故に巻き込まれ、突然この世を去ってしまいます。残されたのは、途方に暮れる母と、娘の菜苗。そんな二人の前に、まるで葡萄畑の影から滲み出るように現れたのが、葡萄野 精と名乗る美青年でした。

『架空の森』、『大地の貴族』、『愚者の楽園』と迷った末、私はこの作品を選びました。ワイナリーという香り立つような舞台設定に、どうしようもなく心を惹かれたからです。

 

川原 泉さんの作品には、主人公が劣等感を抱えていたり、家族を失っていたりと、重くなりそうな設定がよく出てきます。

それでも読後感がふんわり明るいのは、登場人物たちがどこかのんびりしていて、でも芯の強さをちゃんと持っているから。“ああ、こういうふうに生きられたらいいな” と、そっと背中を押してくれるような優しさがあります。

コメント