2024年07月の読書記録【小説・漫画】

読書記録

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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。

本選びの参考になれば嬉しいです。

 

ディア・ペイシェント / 南 杏子
(幻冬舎文庫)

病院・女性医師・クレーマー

千晶は佐々木記念病院で内科医として多忙な日々を送り、嫌がらせを繰り返す座間をはじめとした患者のクレームに疲弊していきます。心の支えは先輩医師の陽子ですが、彼女は大きな医療訴訟を抱えており、千晶はさらに不安を募らせていきます。

どんな仕事でも、お客がすべてにおいて上位に立つわけではない。カスタマーハラスメントの問題とも重なり、人と人との関係が一歩間違えば簡単に歪んでしまう怖さに、思わずゾッとしました。

少し前に読んだ『いのちの停車場』では安楽死が扱われていて、南 杏子さんはいつも私の心に “考えるきっかけ” を与えてくれます。

 

ホテル・ピーベリー / 近藤 史恵
(双葉文庫)

ハワイ・ホテル・殺人ミステリー

木崎 淳平は仕事を辞め、友人に勧められたヒロの日本人経営ホテルを訪れます。そこは「リピーターお断り」という奇妙な方針を持つ宿で、滞在中、同宿者がプールで溺死し、続けてバイク事故も発生します。偶然とは思えない出来事が重なり、ホテルに潜む “なにか” の気配が濃くなっていきます。

本を読み始めるとき、まず表紙を外してしまう癖があるので、今回も何の先入観もなくページを開きました。舞台がハワイ島と知った瞬間は、「きっと自分探しの物語なんだろうな」と思いながら読み進めていたんです。ところが、あの穏やかな島でまさかの殺人事件が起きるなんて…その意外性に思わず息をのみました。

人が死ぬミステリーは少し苦手なのですが、この作品は重たさを引きずらず、どこか風通しの良い読み心地で、最後までさらりと読めました。ハワイの空気感と物語のテンポがうまく溶け合っていて、気づけば夢中になっていました。

 

ビオレタ / 寺地 はるな
(ポプラ文庫)

失恋・雑貨店でのバイト・棺桶

婚約者に突然別れを告げられた田中 妙は、道端で泣いていたところをさんに助けられ、彼女の営む雑貨店「ビオレタ」で働くことになります。美しい「棺桶」を扱う少し不思議な店での日々を通して、何事にも自信が持てなかったは、さまざまな出会いに支えられながら少しずつ変わっていきます。

主人公にはあまり感情移入できず、正直どうなるのかと思いながら読んでいたのですが、最後には不思議と “良い話だったな” と感じさせてくれる作品でした。

 

ドミノ / 恩田 陸
(角川文庫)

連鎖・登場人物が多い・ドタバタ

些細な出来事が連鎖し、思わぬ大騒動へと発展していくパニックコメディです。生保会社の一億円契約を巡る緊迫した空気の中、下剤を盛られた子役や推理好きの大学生、別れ話を企む青年実業家らが東京駅で交錯し、運命のドミノが一気に倒れ始めます。

登場人物が総勢28名も登場するドタバタコメディ。十年ほど前に読んだときにすごく面白かった記憶があったので、今回は久しぶりの再読です。

物語の展開を知っているぶん “答え合わせ” のような感覚で読んだのですが、思っていた以上に細部を忘れていて、ちょっとしたショックと同時に新鮮さも味わえました。

 

はつ恋 / 村山 由佳
(ポプラ文庫)

大人の恋・暮らし・実家

南房総の海沿いの町で、古い日本家屋に愛猫と暮らす小説家ハナは、二度の離婚を経てひとりで生きようとしていました。そんな彼女が再び巡り合ったのは、幼少期を姉弟のように過ごした幼馴染のトキヲです。四季の美しい巡りの中、喪失も挫折も抱えたふたりは心と体を寄せ合い、かけがえのない時間を積み重ねていきます。

主人公の姿には、どこか村山 由佳さんご自身の影が差しているように思えました。

40代に差し掛かり、老いていく親の背中を見つめながら、恋愛ではなおも心を揺らされてしまう女性。若い頃のような勢いはないけれど、そのぶん時間がゆっくりと流れ、感情の機微が静かに沁みてきます。

 

月のぶどう / 寺地 はるな
(ポプラ文庫)

ワイナリー・双子の姉弟・主人公の成長

母の死をきっかけに、大阪で曽祖父の代から続くワイナリーを継ぐ決意をした双子の光実。優秀な母を追い続けてきた姉と、逃げてばかりだった弟は、四季の移ろいの中でワインづくりに向き合いながら、自分自身の生き方を見つめ直していきます。

派手な展開はないのに、読み終えると自然と笑顔になれる、やわらかな幸福感に包まれた作品でした。

 

 

今月のおすすめは、

寺地 はるなさんの『月のぶどう』です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!

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