2024年02月の読書記録【小説・漫画】

読書記録

※本ページにはプロモーションが含まれています。

この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。

本選びの参考になれば嬉しいです。

 

かがみの孤城 上下 / 辻村 深月
(ポプラ文庫)

中学生・いじめ・パラレルワールド

学校で居場所をなくし家に閉じこもっていたこころの前で、ある日突然鏡が光り、不思議な城のような場所へ導かれます。そこにはこころと似た境遇の七人が集められており、彼らは理由もわからないまま共同生活を始めます。なぜ自分たちが選ばれたのか、この場所の秘密は何なのかが明らかになるとき、深い驚きと大きな感動が訪れます。

幻想的な世界のはずなのに、登場人物たちの痛みや迷いがあまりにもリアルで、読み進めるほど心がざわつきます。展開は予測できず、息をのむ場面の連続で、涙をこらえながらも目を離せませんでした。

城を守るオオカミたちは圧倒的な威圧感を放ち、ページ越しでも背筋が冷たくなるほど恐ろしく感じます。

 

環と周 / よしなが ふみ
(マーガレットコミックス) 

同じ名前・日常・時代

家族・恋・友情が時代を超えて交差し、“好き” の形を描く物語です。現代では娘の同級生同士のキスを目撃した妻が揺れ、夫もかつて同性を好きになった記憶を思い出します。明治では女学生のが縁談で別れ、戦後や70年代では再会や別れを重ねながら想いが形を変えていきます。江戸では仇討ちをきっかけに幼馴染の運命が動き出します。時代ごとに異なる愛の姿が丁寧に紡がれます

結末には少しもやっとした感触が残るのに、その曖昧さの奥に “人間ってこうだよね” という温度があって、読後にそっと胸を撫でられるような気持ちになります。

 

ホテル・メッツァペウラへようこそ 4
/ 福田 星良
(HARTA COMIX)

フィンランド・冬・ホテル

聖なる夜に奇跡が訪れるように、ジュンは一年に一度の特別な日に、日頃の感謝を込めてアードルフクスタへクリスマスプレゼントを用意しようと決意します。相手が喜ぶ姿を思い浮かべながら選ぶ時間は、ジュンにとっても特別なひとときです。

フィンランドの文化や習慣、クリスマスの空気も相まって、読んでいるだけで心の奥までじんわり温まってきました。

それにしてもジュン、初めてとは思えない手つきでネックウォーマーに帽子まで二つも編み上げるなんて…どれだけ器用なの?

 

星降る王国のニナ 12 / リカチ
(BE・LOVEコミックス)

ファンタジー・王宮・不思議な力

ニナアズールの命を救うため巫女姫アリシャの身代わりとしてガルガダへ嫁ぎますが、国交断絶により帰国を命じられます。本物のアリシャの出現で事態は悪化し、裁きで国外追放となります。命を狙われながらも独りで生きる道を選んだニナの前に三か月後セトが現れ、「願いはなんだ」と問いかけ、ふたりは運命に抗う道を探し始めます。

BE・LOVEが手がけているだけあって、恋愛の甘さだけじゃなく “大人が読んで心をつかまれるドラマ性” がしっかりあります。フォルトナ国の王アズールと、ガルガタ国の王子セト。この二人がまたとんでもなく魅力的で、ニナが翻弄されるのも納得。どっちと結ばれても幸せになれそうで、読んでいるこちらまで揺さぶられます。

アニメ化も決まって嬉しい反面、原作の繊細で美しい絵が大好きなので、アニメでもその雰囲気が損なわれないか少しだけ心配です。

 

風待ちのひと / 伊吹 有喜
(ポプラ文庫)

メンタル不調・実家に帰省・恋愛

心の不調で休職中の哲司は、亡き母が暮らした港町・美鷲を訪れ、偶然出会った喜美子に遺品整理を手伝ってもらいます。町の温かさに触れ心を癒していく一方、深い喪失を抱える喜美子哲司との交流で自分の思いに気づいていきます。やがて惹かれ合うふたりですが、哲司には東京に妻子がいるのです。

甘酸っぱい初恋のようだった関係は、いつしか大人の恋へと姿を変え、互いを縛りつけるようになっていきます。

物語が進むにつれて昼ドラのような展開へ傾いていくのも一つの味わいではあるものの、もっと別の可能性もあったのではと思うと、どこか惜しさが残ります。

 

風の向こうへ駆け抜けろ 蒼のファンファーレ 2 / 古内 一絵
(小学館文庫)

競馬・女性騎手・挑戦

緑川厩舎は「藻屑の漂流先」と揶揄されながらも、瑞穂 騎手の情熱で再生し桜花賞に挑みます。翌年、謎めいた風水師が超良血馬を預け、因縁の勝負を望んできます。は母との葛藤に揺れ、瑞穂は初恋に戸惑い、光司は過去の恋人と再会します。さまざまな思いを乗り越え、再び心を一つにした厩舎はGⅠチャンピオンズカップを目指します。夢に挑む彼らの行方が胸を打ちます。

一巻があまりにも素晴らしくて、二巻を手に取ったものの、読み始めるのが少し怖かったんです。でも、結果はその不安を軽々と超えてきました。負けないどころか、胸の奥をさらに強く揺さぶられました。気づけば今回も、涙が止まりませんでした。

 

対岸の家事 / 朱野 帰子
(講談社文庫)

育児・専業主婦・社会

専業主婦として家事を仕事に選んだ詩穂は、娘と二人きりの繰り返される日々の中で、幸せを感じながらも自分の選択に迷いを抱きます。まわりには、熱があっても休めない多忙なワーキングマザーや、子どもを授かれず周囲の期待に苦しむ主婦、妻の代わりに育休をとり孤独に育児と向き合う男性など、立場は違っても現実に疲れた人々がいました。限界に近づく彼らに寄り添ううちに、詩穂は自分にできる小さな支えを探し始めます。

独身の私は、会社では子育て中の同僚やお母さんたちを支える側に回ることが多いです。もちろん大変さも理解したい気持ちはありますが、実際には任される仕事量や税金面で不公平さを感じることもあります。

彼女たちを責めたいわけではなく、そう見えてしまう仕組みそのものにモヤモヤしているのだと思います。

  

  

今月のおすすめは、

辻村 深月さんの『かがみの孤城』です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!

コメント