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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。
本選びの参考になれば嬉しいです!
可惜夜行 / 都戸 利津
(花とゆめコミックススペシャル)
ファンタジー・妖・存在感のない主人公
誰からも必要とされずに生きてきた青年・亮のもとへ、月からの使者・暁が現れます。暁は、亮こそ月世界を統べる最高権力者の生まれ変わりであり、彼を玉座へ迎えるために来たのだと告げます。現世に未練のない亮はその誘いを喜んで受け入れますが…。
『噓解きレトリック』のドラマが始まったので、久しぶりに都戸 利津さんの最新作を買ってみました。
絵柄も相変わらず綺麗で可愛らしくて、久しぶりに読むと「変わっちゃったな…」と残念に思う作品も多い中、今回はむしろ安心して楽しめました。電子版限定の5Pおまけもあって、ちょっと得した気分になります。
小さき者へ / 重松 清
(新潮文庫)
短編集・家族・人生ってしょっぱい
「家族」と「父親」を問う全6篇。思春期の息子にどう寄り添えばいいのかを、かつて14歳だった自分の記憶から静かに見つめ直す父親の物語です。忘れていた痛みや迷いに触れながら、家族を思う気持ちが少しずつ形になっていきます。
何もかもがきれいに片付いて終わるわけではなくて、痛みや理不尽さを抱えたまま、それでも手探りで前へ進んでいく…、そんなもどかしさが胸に残りました。
重松 清さんの小説を読むと、人生って本当にしょっぱいものだなあ、としみじみ思わされます。
窓の向こうのガーシュウィン
/ 宮下 奈津
(集英社文庫)
未熟児・介護ヘルパー・出会い
父の家出と母の不在のような日々の中で育った“私”は、満たされない思いを抱えてきました。介護ヘルパーとして横江先生と出会い、額装の世界に触れることで、少しずつ心がほどけ、自分を取り戻していきます。
時間の流れが少し違うような彼女の視点で語られているせいか、面白くないわけではないけれど現実感の薄い作品でした。
関係ない話ですが、宮下 奈津さんの作品は、いつもタイトルに心をくすぐられます。
青と白と / 穂高 明
(中公文庫)
東日本大震災・家族・サイバーズギルド
30代後半の悠は、仙台を離れて東京で執筆とアルバイトを続けています。震災を機に日常は揺らぎ、同僚の態度や家族の変化に戸惑いながら、「自分はなんてちっぽけなのだろう」と見つめ直します。迷いの中で、悠は未来へ踏み出す決意を固めていきます。
東日本大震災の描写を読んで、地震の恐ろしさが一気に自分の生活の延長線に迫ってくるようでした。
大阪に住む私にとって南海トラフ地震は現実味のある脅威で、もしもの惨状を思うと不安が押し寄せます。自分が助かったとしても、大切な人を失うかもしれない…、その想像だけで胸が痛みます。
実録のような生々しさではなく、小説という形で触れられたからこそ、怖さと向き合う余白があって良かったです。
大人は泣かないと思っていた
/ 寺地 はるな
(集英社文庫)
社会人・恋愛・田舎のしがらみ
九州の田舎町で父と暮らす時田 翼は、菓子作りを否定され傷つきながら日々を過ごしています。ある夜の “ゆず泥棒” との出会いが彼の時間を動かし始めます。「小柳さんと小柳さん」では、職場を辞めた小柳 レモンが翼と出会い、家族の危機に向き合うことに。恋愛や家族に悩む大人たちが再び歩き出す全7編です。
田舎ならではの人間関係や決まりごとの中で、自分の信念だけは絶対に曲げない翼。
いざという時の行動力は大胆で惚れ惚れするほどなのに、普段は地味で大人しくて、しかも妙な “自分ルール” を持っているから、正直ちょっと付き合いづらい。
その面倒くささが彼の魅力なのですが、ゆず泥棒の小柳 れもんとの関係には、読んでいる間ずっと「もう、好きなんでしょ!はっきりして!」と心の中でツッコミ続けていました。
読み終えた瞬間は静かなのに、後からじわじわ感情が押し寄せてきます。

今月のおすすめは、
穂高 明さんの『青と白と 』です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!



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