一か月に読んだ本の感想まとめ(2023/09)

読書記録

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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。

本選びの参考になれば嬉しいです!

 

風の向こうへ駆け抜けろ / 古内 一絵
(小学館文庫)

競馬・女性騎手・挑戦

競馬で数少ない女性ジョッキーの芦原 瑞穂が所属することになったのは、今にもつぶれそうな「藻屑の漂流先」と揶揄される寂れた弱小厩舎。

傷ついた馬フィッシュアイズと出会い地方競馬から中央競馬へG1の桜花賞を目指す躍動感あふれるスポーツ小説です。

とくに私が好きだったのが芦毛の馬のツバキオトメ。老齢で満足にレースを走ることは出来ませんが、物語のキーパーソンのような役割を果たし瑞穂や厩舎の人たち、フィッシュアイズの意識を変えてくれます。

馬の厳しさや優しさ、身近にいて信頼してくれる愛おしさ、馬のことが今よりもっと好きになる物語でした。

※競馬の知識がなくても読めます。

 

はなものがたり 1~3 / schwinn
(MFコミックスフラッパーシリーズ)

年配の女性・美容・LGBT

妻のおしゃれにいい顔をしない旦那を亡くしたはな代。たまたま立ち寄った化粧品店で美容部員堂島 芳子の綺麗な立ち姿に心を奪われ惹かれていきます。

メイク系だと思っていたら高齢女性同士の恋愛でした。何も知らずに全巻を購入したのでまさかの展開でしたが普通に面白かったです。

ただ、美容・恋愛・大学など手を広げすぎた感があるので、もっと絞っても良かった気がします。

 

スキップとローファー 9 / 高松 美咲
(アフタヌーンコミックス)

高校生・青春・日常

故郷である石川県の地域再生をすべく官僚になる決意をする岩倉 美津未は、過疎地の中学校をへて東京の進学校に入学。勉強だけでなく友情や恋に悩むキラキラ輝く青春ストーリー。

早いものでもう9巻。高校2年生の夏休みだから物語としては折り返しに差し掛かったところですかね?

美津未がバイト先の人に、冬には受験モードになるという話をしていてしんみりしてしまいました。終わって欲しくないけど、ダラダラと続いて欲しくないので難しいです。

 

さくちゃんとのぞみくん 1~2 / KUJIRA
(it COMICS)

片想い・思春期・母親のしがらみ

兄が亡くなって母親の心の傷を癒すために男の子のように振舞うと母親が女の子が欲しかったせいで髪を伸ばしていた。そんな2人を小学生から高校卒業までを描いています。

KUJIRAさんの絵が好きだったのでネットで検索をかけて購入しました。

体の成長と共に訪れる心の変化と2人の関係性など、遅めの展開でもどかしく感じるのですが全体的に丁寧だと感じました。

 

あの日、君は何をした / まさき としか
(小学館文庫)

ミステリー・殺人・母と息子

平凡な主婦として幸せに暮らしていた水野 いづみの生活は、息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われ事故死したことで一変してしまいます。

深夜、自転車に乗っていた彼は何をしようとしていたのか?

人が死ぬミステリーが苦手なのであんまり読まないのですが、これは続きが気になって一気に読んでしまいました。関係ないと思っていた2つの事件が最後に重なり衝撃的な真相が明らかになります。

イヤミスの部類に入るので読後感は良くなかったのですが、真相に立ち向かう三ツ矢田所の刑事コンビが好きだったので続巻を購入するかは悩みどころです。

 

香君 上下 / 上橋 菜穂子
(単行本)

ファンタジー・並外れた嗅覚・少女

人並み外れた嗅覚を持ち植物や昆虫の気持ちを知ることができるアイシャ

帝国の主食である「奇跡のオアレ稲」に大量の虫が発生してしまい、飢餓に苦しむ人々を助けるためにその能力を発揮し困難に立ち向かっていきます。

期待が大きい作品ほど自分にとってベストなコンディションで読みたいので積読してしまいます。こちら買って半年ほど置いていたのですが、無性に読みたくなり手に取りました。

何が凄かったかというと圧倒的な虫の描写でトリハダが立つほど気持ち悪かったです。虫が苦手な人は辛いだろうなあ…。

ファンタジーの部類に入ると思うのですが、明治時代、北海道の農業でイナゴ大発生の歴史を知っている人はこんなことあったよな?と既視感を覚えるかもしれません。

話には無駄が無くすべてが必要なものとして繋がっていく、完成度も高く読み応えがあります。

 

祈祷師の娘 / 中脇 初枝
(ポプラ文庫ピュアフル)

祈祷師・中学生・自分探し

祈祷師になりたいけれどなれないのは、父母と血が繋がっていないから。自分にはない霊能力を持つ姉の和花を加えた家族の中で春永が自分のルーツを知りそれを認めることで前に進んで行きます。

祈祷師なんて言葉が出てくので怖いのかなと思いましたがそうでもなかったです。これは作者さんが、あえてさらっと描き切っているせいなんですよね。

全体的にふんわりとした優しい話なのですが、クラスメイトの山中くんと昔からの友達の久美ちゃんが出てくると腹立たしくてイライラしました。何なんだ、あの2人は?!ってなります。

 

東京すみっこごはん / 成田 名璃子
(光文社文庫)

連作短編・料理・多様化

商店街の横道に入ったところにある「すみっこごはん」。そこには女子高生やOL、主婦、プロの料理人や外国人もいて、くじ引きで当番を決め当たった人がお店にあるレシピノートを参考に料理を作っていきます。

料理が上手い人もいれば下手な人もいる、それでもみんなが集まってくる温かい場所です。

ずっと気になっていたのですが読む機会が持てず、今回が初読みです。夢中になりすぎて通勤電車で降りる駅を乗り過ごしてしまいました。

巻数も多く出ているので謎の部分を引き継ぐのかなと思っていましたが、気になっていた部分はこの1冊ですべて解明されたのですっきりしました。また、続きを買わなくては!

(収録作品)いい味だしてる女の子、婚活ハンバーグ、団欒の肉じゃが、アラ還おやじのパスタ、楓のレシピノート

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!

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