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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。
本選びの参考になれば嬉しいです。
[今月の新着記事]
:小説
お父さんと伊藤さん / 中澤 日菜子
(講談社文庫)
父と娘・恋人・同居
六畳と四畳半の古アパートで暮らす34歳の彩と54歳の伊藤さん。ある日、兄に頼まれた父の引き取りを断った矢先、74歳の父が突然転がり込み「ここに住む」と宣言。ぎこちない三人暮らしが始まるが、父の誰も知らない秘密が日常に笑いと緊張をもたらしていきます。
お父さんVS彩。の間にそっと入り込む緩衝材のような伊藤さんの存在が、とても頼もしく描かれていました。
物語は彩の視点で進むのですが、伊藤さんとの距離感や、お父さんとの複雑な想いが丁寧に積み重ねられていて、どちらの気持ちにも寄り添えるのが切ないところです。
お父さんの不器用な愛情も痛いほどわかるし、彩の揺れる心もよく伝わってくる。だからこそ、どちらか一方の幸せを願えば、もう一方が少し寂しく見えてしまう。その “どうしようもなさ” が胸に残る作品でした。
花琳仙女伝 引きこもり仙女は、それでも家から出たくない
花琳仙女伝 引きこもり仙女は、やっぱり後宮から帰りたい
/ 桜川 ヒロ
(SKYHIGH文庫)
ファンタジー・謎解き・恋愛
楚 花琳は仙女の末裔で付喪を具現化できる力を持ちます。借金のため結婚を迫られる中、江家の三男・俊賢の盗難疑惑を晴らす依頼を受け、結婚白紙を条件に都へ向かいます。椿と牡丹、智星と飛耀と共に調査へ挑みますが、飛耀とは険悪で前途多難。宝物庫への潜入まで迫られ、波乱の旅が始まります。
花琳と旅をするあのイケメン兄弟、とくに彼女に想いを寄せる飛耀の台詞には、読むたびに胸がきゅっとなるんです。でも同時に、何度読み返しても小っ恥ずかしくて、思わずページを閉じたくなる瞬間もあって。
ライトノベルの中華ファンタジーで読みやすく、興奮できる作品だから重宝します。
はぶらし / 近藤 史恵
(幻冬舎文庫)
同級静生との同居・浸食・緊張感
鈴音は脚本家として安定した日々を送っていましたが、突然訪ねてきた高校時代の友人・水絵から、離婚とリストラを告白され、一週間だけ泊めてほしいと頼まれます。戸惑いながらも受け入れた鈴音は、共同生活の中で他者の願いにどこまで応えるべきかを考えさせられます。
得体の知れない他人が、じわじわと自分の生活に入り込んでくるような不快感が終始つきまとい、水絵、息子の耕太、そして鈴音の誰かが、いつ何をしでかすのか分からないという緊張感が途切れることなく続き、最後のページまでずっと胸の奥がざわついていました。
雰囲気としては、松雪 泰子さんと芦田 愛菜ちゃんが出演していたドラマ『Mother』を思い出します。似ているようでいて決して同じではないのですが、あの作品が持つ “静かに迫ってくる恐さ” がふと重なりました。
僕らのごはんは明日で待ってる
/ 瀬尾 まいこ
(幻冬舎文庫)
家族・同級生・自分探し
亮太は兄の死をきっかけに、人が死ぬ小説ばかりを読み続けていました。そんな彼の時間は、高校最後の体育祭で出会い恋人となった小春と過ごすうちに少しずつ動き出します。やがて二人は家族となり、毎日おいしいごはんを囲みながら未来を描きますが、小春に突然の異変が訪れます。「神様は乗り越えられる試練しか与えない」と励ましながら、亮太は彼女と共に運命に向き合っていきます。
やや設定は重めなのに、二人の個性があまりにも魅力的で、会話のひとつひとつが独創的だから、読んでいるとつい「この先の未来はきっと明るい」と思ってしまいます。
葉山くんが自分探しのために参加する “欲張りタイ魅惑の4日間” ツアーも、何度読み返しても飽きません。特に、おばちゃんたちとの掛け合いのシーンは読むたびに頬がゆるむほど大好きです。
:漫画
Shrink~精神科医ヨワイ~ 14
/ 七海 仁・月子
(ヤングジャンプコミックス)
精神科医・アスリート・対処
女子バレーボール部主将の西条 つかさは、過度な練習で体調を崩し、精神科医の弱井からオーバートレーニング症候群の可能性を告げられます。休養を拒む中でイップスも現れ、弱井は臨床心理士やトレーナーと連携して支えます。
この本を読んで強く感じたのは、つらいときに “誰がそばにいてくれるか” ということの大切さです。
自分の置かれた状況を正しく理解することはもちろん必要ですが、周囲が誤った認識を押し付けてくることもあります。だからこそ、専門的な知識や視点が支えとなり、自分を守るための力になるのだと思いました。
スキップとローファー 11 / 高松 美咲
(アフタヌーンコミックス)
高校生・青春・主人公の成長
修学旅行を前に美津未と志摩くんの距離が揺れ動きます。志摩くんは美津未と別班になった不安から不器用な行動を重ね、気持ちの整理がつかず迷走します。一方、美津未は周囲の相談にも奔走しながら、志摩くんの変化に戸惑いながら向き合おうとします。
やっと志摩くんの美津未に対する気持ちの答えが見えてきて、胸のつかえがふっと下りました。恋愛中心の漫画も好きですが、この作品は高校生活そのものを丁寧に描いていて、読んでいると懐かしさがこみ上げます。
それにしても氏家くん。場の空気を読まないその言動、読者の私まで思わず息がヒュッとなります。もう少しだけ、言葉をオブラートに包むことを覚えてほしいものです。
ラジエーションハウス 17
/ 横幕 裕・モリタイシ
(ヤングジャンプコミックス)
放射線技師・病院内の組織・恋愛
甘春総合病院では、雨が暴風雨へと変わる中、転倒患者が救急外来に次々と運ばれてきます。当直のたまきは、勤務延長の唯織と共に検査をこなしますが、手術が必要な患者も重なり現場は大忙しになります。そんな中、頭痛で来院した市川の様子に違和感を覚え、たまきは慎重に観察を続けます。
凄腕の放射線技師としての五十嵐くんの魅力が、組織の中に埋もれてしまったようで、物語としては安定しているものの、どこか物足りなさを感じています。そろそろ甘春先生との関係にも、もう一歩踏み込んだ変化があってほしいところです。

今月のおすすめは、
近藤 史恵さんの『はぶらし』です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!




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