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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。
本選びの参考になれば嬉しいです。
弁当屋さんのおもてなし 新米夫婦と羽ばたくお子様ランチ / 喜多 みどり
(角川文庫)
シリーズ・お弁当・夫婦
ユウのプロポーズから数ヶ月後、千春は会社を辞めて二人で『くま弁』を切り盛りしています。結婚準備は順調ですが、帰国したユウの母に気を遣いすぎて空回りしてしまい、思わぬぎこちなさが生まれてしまいます。
前作の宅配編では主人公が雪緒に代わり、ユウと千春が夫婦として登場していたので、「このシリーズもここで終わりなのかな」と感じていました。だからこそ、新婚時代の二人を描いた物語が読めると知ったときは、本当に嬉しい驚きでした。
読んでみると、「これだ、この距離感!」と胸が温かくなるような、二人らしさがぎゅっと詰まっていて、思わず笑みがこぼれてしまいました。
ハネチンとブッキーのお子さま診療録 1 / 佐原 ミズ
(ゼノンコミックス)
小児医療・シングルファーザー・ヘヴィメタル
妻を亡くしシングルファザーとなったサラリーマン羽根田は、二人の子どもの予測不能な行動に日々振り回されながら必死に暮らしています。ある日、電車内で息子のみちるが急に体調を崩し、羽根田は動揺しますが、悪魔のようなメイクをした若者・琴吹が的確な処置で原因を見抜き救ってくれます。そこから二人の関係が思わぬ方向へ動き出します。
佐原 ミズさんの作品は昔からよく読んでいるのですが、日常の機微や少し不思議な世界を描く印象が強かったので、小児医療をテーマにした新作には驚きました。ご自身に小さなお子さんがいることも、今回の題材選びに自然とつながっているのだと感じます。
読んでみると、これまでの “あたたかさ” や “じんわり沁みる感触” はそのままに、医療ものとしての厚みもしっかりあって、とても読み応えがありました。
琥珀の夢で酔いましょう 1~6
/ 村野 真朱・依田 温
(マッグガーデンコミックス EDENシリーズ)
クラフトビール・居酒屋・出会い
京都の広告会社で評価されない七菜は、居酒屋「白熊」で出会った人々とクラフトビールに魅せられ、自分らしさを取り戻していく。実在のビールや杉村 啓のコラムも楽しめ、人とのつながりが愛おしくなる大人の青春物語です。
全国のクラフトビールをめぐる物語で、作り手たちのこだわりや情熱が胸に迫ってきました。普段はほとんどビールを飲まない私でさえ、思わず手に取ってみたくなるほど惹きつけられる作品です。
お酒の席で迷惑をかける酔っぱらいが苦手なのですが、この物語に登場する人たちは節度を持ってお酒を楽しんでいて、その姿がとても心地よく、好感が持てました。
常設展示室 / 原田 マハ
(新潮文庫)
有名絵画・美術館・親近感
いつか終わる恋を抱えていた私、不意の病で選択を迫られた娘、忘れられない人の記憶を胸に秘めた彼女。運命に揺れる人々が訪れた美術館で、一枚の絵がそっと未来を照らしてくれます。ピカソ、フェルメール、ラファエロ、ゴッホ、マティス、東山 魁夷。実在の名画が物語を彩る短編小説集です。
原田 マハさんならではの “絵を見る楽しさ” がぎゅっと詰まった作品です。キュレーターとしての経験があるからこそ描ける視点が新鮮で、「絵ってこんなふうに感じればいいんだ」と肩の力が抜けました。
海外の美術館には行けなくても、読み終えるころには地元の美術館に足を運びたくなる心地よさがあります。
月曜日の抹茶カフェ / 青山 美智子
(宝島社文庫)
連作短編・人とのつながり・続編
川沿いの桜並木そばの喫茶店「マーブル・カフェ」は、月曜だけ「抹茶カフェ」として開きます。ついていない携帯ショップ店員や夫婦げんかをした夫、失恋したシンガー、京都の元女将など、悩みを抱えた人々が一杯の抹茶と何気ない言葉に励まされ、前を向いていきます。
『木曜日にはココアを』の続編で、今回の『月曜日の抹茶カフェ』は、今の自分より少し先に “きっと大丈夫な未来” があると感じさせてくれました。
物語のなかで「あの人たち、どうなったんだろう?」という小さな気がかりが、別の話でそっと回収されていくのも心地よく、読み終えたあとには爽やかな満足感と温かさが残りました。
アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり 11 / 荒井 ママレ
(ゼノンコミックス)
薬剤師・病院・同僚
製薬会社の工場火災による医薬品不足の影響は萬津総合病院薬剤部にも及び、処方変更が相次いでいます。特に過敏性腸症候群の患者は薬の切り替えに強い不安を抱くのでした。
今回は製造側のトラブルで薬が不足し、彼女も対応に追われていました。現場の慌ただしさや、みどりの苦労がひしひしと伝わってきます。
同じ成分でも、患者さんにとっては「いつもの薬じゃない」というだけで不安になることがあります。その気持ちも理解できるからこそ、代替薬の説明は本当に難しい問題だなと感じました。
明日は、いずこの空の下 / 上橋 菜穂子
(講談社文庫)
エッセイ・子供時代・海外
文化人類学者であり国際アンデルセン賞受賞作家が、17歳で初めて訪れた英国・仏国の旅や、沖縄・オーストラリアでのフィールドワークを振り返ったエッセイ集です。
好奇心いっぱいで、夢見る気持ちを忘れない彼女の海外生活や旅のエピソード、そしてお母様との思い出が、とても丁寧に描かれていました。
読んでいると、彼女の目に映る世界がどれほどカラフルで温かいものなのか、自然と想像してしまいます。
『精霊の守り人』をはじめ上橋 菜穂子さんの作品が大好きな私にとっても、この本に出会えたことは大きな喜びでした。

今月のおすすめは、
佐原 ミズさんの『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!



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