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『本は日常』にご訪問ありがとうございます。
ミステリーサスペンスや歴史小説、もしくはホラー。他にも様々なジャンルがありますが、その中に恋愛が加わるだけでより面白いと感じませんか?
私は主人公が運命の相手に出会ったり、文章には描かれていなくても勝手にあの人とこの人はくっつくんじゃないかと想像したりするのが大好きです。
恋愛には上手くいったり、いかなかったり、これから始まりを予感させるものがあったりしますが、どんな形であれ納得するような結末ならどれも興味深いですね。
[関連記事のご紹介]
カフーを待ちわびて / 原田 マハ
(宝島社文庫 全一巻)
沖縄県与那喜島で雑貨店を営む友寄 明青は旅先の神社で、冗談半分で「嫁に来ないか」と書いた絵馬が発端で幸という女性に出会い、想いを寄せ合うようになります。
彼は父親を漁で亡くしていたり、母親が失踪していたり、不慮の事故で左手が不自由だったりで自己肯定感がかなり低いです。生きることに受身だった彼が、幸のおかげで少しずつ変わっていく様子に愛しさを覚えました。
沖縄を舞台にしているせいか、時間の流れがゆったりに感じますね。
この小説の題名に使われている「カフー」とは沖縄の方言で「果報」「幸せ」「良い知らせ」という意味で、心の奥からじんわり温かくなるような物語です。
クローズド・ノート / 雫井 脩介
(角川文庫 全一巻)
文房具屋で働く大学生の堀井 香恵は、万年筆を探しに来たという男性に出会い恋心を抱くようになります。
彼との仲がなかなか進展せず、くじけそうになった彼女の心を勇気づけてくれたのは、以前の住人が残していった一冊のノートでした。
この作品の少し懐かしいような、しっとりとして優しい雰囲気がたまりません。
残念ながら話の展開は序盤のほうでわかってしまうのですが、彼女の一途な想いに読む手が止まらなくなります。
今でも表紙をみると、「この本、良かったな…」と読み直したくなります。
レインツリーの国 / 有川 浩
(角川文庫 全一巻)
忘れられない本をきっかけに向坂 伸行がたどりついたのは、人見 利香が管理する「レインツリーの国」というブログ。
メールのやりとりだけではわからなかったのですが、実際に会った彼女は聴覚障害者で彼はそのことを知らずに傷つけてしまいました。
社会人同士の不器用な恋愛、利香の耳のせいで二人の心の距離が複雑に絡み合います。
まさに恋愛小説なのですが、「健常者」と「障害者」とは何かを考えさせられる側面を持っていて、自分自身の思い込みやこれからの行動を見つめ直す機会を与えてくれました。利香
少しだけ伸行の押しの強さや、女子に対して手慣れたところが苦手なのですが、利香にとっては彼の積極的なところが必要なのだろうと思うので我慢します。
静かの海 その切ない恋心を、月だけが見ていた / 筏田 かつら
(宝島社文庫 全二巻)
引っ越してきたばかりで周囲に馴染めない小学生の鴫原 真咲が好きになったのは、偶然知り合った大学生の矢野 行成でした。
年齢差に加えて、行成が真咲のことを男の子だと勘違いしていること、現代では条例違反などの問題もあるので前途多難です。
主人公の真咲は小学生とは思えないほど冷静な子で、大人が読んでも共感できる部分が多くありました。
二人で死んでしまった金魚を使い透明骨格標本というものを作るのですが、それに似たような透明感がこの作品にはあります。鈍感すぎる行成は置いといて、真咲の切なくて純粋な想いが印象的です。
全体的にいい話だとは思うのですが、結末が読者に委ねられる形になっているので、その後の二人が気になってしまうのが難点ですね。
同じ作者なら「君に恋をするなんて、ありえないはずだった」のほうが人気があるのですが、私はこちらの方が好きです。
貴方への手作りウエディング / 葵居 ゆゆ
(富士見L文庫 全一巻)
両親を亡くし妹と一緒に暮らしてきた花住 苑子は、未成年で学生である妹の突然の結婚宣言で衝突してしまいマンションを飛び出してしまいます。
大学の恩師に会うために軽井沢へ向かった彼女が出会ったのは、恩師の息子である染色家の登季でした。
大人しくて地味、いつも灰色の服を着ている苑子はまるでシンデレラのようです。
ぶっきらぼうで言葉がきつい登季は王子様キャラではないものの魅力あふれる男性で、自然体で描かれているせいか好感が持てます。
この作品は恋の予感を感じさせる終わり方なので、その後の二人を想像するのがとても楽しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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