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外は寒いのにページをめくるとふわっと心があったまるような、冬にこそ読みたい一冊ってありますよね。
福田 星良さんの『ホテル・メッツァペウラへようこそ』(ハルタコミックス)は、まさにそんな冬のおともにぴったりの物語です。
フィンランド・ラップランドの森に佇む小さなホテル「メッツァペウラ」。
吹雪の夜、老紳士アードルフとクスタは、全身に和彫りを入れた謎の青年ジュンを保護します。
行き場のない彼はホテルで働き始め、北国の厳しくも温かな日々や訪れる客たちとの交流がジュンの孤独をそっと溶かしていきます。
〈この作品に向いている人〉
北欧・フィンランド文化に興味がある人
心が少し疲れていて、温かい物語に癒されたい人
人間ドラマ・成長物語が好きな人
〈物語の中心となる人々〉
ジュン・シノミヤ
日本人の父とフィンランド人も母を持つ児童養護施設で育った17歳の少年。母を探すために単身フィンランドへ渡るものの、吹雪の中で倒れてしまう。アードルフとクスタに助けられ、ホテルで働きながら暮らすことに。繊細で優しい性格で、異国の地で出会う人々との交流を通して成長していく。日本で親同然の ”先生” の影響で全身にみごとな和彫りの入れ墨が入っている。
アードルフ
ホテル・メッツァペウラの支配人。眼鏡をかけた老紳士で、人当たりの良い優しい雰囲気を漂わせているが、接客に関しては非常に厳格でジュンを指導している。元国防軍の軍人という意外な過去を持ち、身体能力が非常に高い。
クスタ
ホテルの料理人で、アードルフの良き相棒。自己鍛錬を欠かさず、高齢とは思えない筋肉質な体系をしている。ぶっきらぼうな言動で愛想は良くないが、情に厚く優しい性格の持ち主。妻はすでに亡くなり、独立した娘のファビーがいる。
ファビー
クスタの一人娘。大工を生業としている。ただしクスタとは血がつながっておらず、8歳の時に児童養護施設から養女として引き取られている。親友がホテル「メッツァペウラ」で結婚パーティーをすることになり、ジュンと知り合いになる。
他にもさまざまな宿泊客やホテルを支えてくれる業者が登場します。私のお気に入りはクスタに娘のファビーで、下手をすると男だらけの作品になってしまうのですが、彼女がいるだけで場の雰囲気がパッと明るくなります。

〈モデルとなったフィンランドはどんな国?〉
北ヨーロッパの静かな森に寄り添うように広がる国です。国土の多くを湖と深い森が占め、季節ごとに景色はやさしく表情を変えます。冬は澄んだ空気の中に凛とした美しさがあり、夏には白夜の光が一日をふんわりと包み込みます。
首都ヘルシンキは、モダンなデザインと自然が心地よく調和する街で、海から吹く風が爽やかさと素朴な温かさを運びます。公用語はフィンランド語とスウェーデン語で、少数言語のサーミ語も大切にされています。
人々は静かな時間を尊び、穏やかな気質を持ちながら、“Sisu(シス)” と呼ばれる強さと粘り強さを内に秘めています。派手さはなくとも、確かな前進の力を感じさせてくれる国です。
〈この作品のまとめ〉
連載当初から、静かに雪が降り積もる世界が広がる『ホテル・メッツァペウラへようこそ』。
凛とした北欧の空気が頬をかすめ、白銀の森に灯る小さな明かりに導かれるように、物語はそっと始まります。
フィンランドの食や文化が、日本で育ったジュンのまなざしを通して、まるで “冬の北欧を旅する” ような心地よさで描かれていくのが、この作品の魅力。
薪のはぜる音、温かなスープの香り、静寂の中に息づく人々の優しさ、そのひとつひとつが丁寧に積み重なり、読むほどに胸の奥がじんわり温まっていきます。
気づけば、またこのホテルに帰りたくなる。そんなふうに、何度でもページを開きたくなる物語です。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。ここまで読んでいただき、嬉しい気持ちでいっぱいです。


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