2026年03月の読書記録

読書記録

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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。

本選びの参考になれば嬉しいです。

 

[今月の新着記事]

 

:Audible

最後の晩ごはん / 椹野 道流

定食屋・幽霊・店員

秘された花とシフォンケーキ』『閉ざした瞳とクリームソーダ』地下アイドルと筑前煮』初恋と鮭の包み焼き』

三ヶ月にわたって聞き続けている作品なので、登場人物たちへの愛着が深まります。海里が「やっぱり演じることが好きだ」と再確認して定食屋を離れたあとも、夏神ロイドとの強い師弟関係は変わらず、三人の掛け合いが心地よくて大好きです。

『最後の晩ごはん』というタイトルのとおり、定食屋で幽霊たちが成就していく “最後のご飯” も丁寧に描かれていて、どれも本当に美味しそうです。物語を聞きながら、思わずその料理を食べたくなってしまいます。

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:小説

神の涙 / 馳 星周
(実業之日本社文庫)

北海道の屈斜路湖で暮らすアイヌの木彫り職人・敬蔵のもとへ、過去を抱えた青年・雅比古が弟子入りを願って訪れます。敬蔵の孫・は自らのルーツに悩みながら、二人と向き合う中で成長していき、三人はそれぞれの痛みや秘密と向き合い、家族や故郷の意味を見つめ直していきます。

アイヌの信仰や自然観に、雄大な風景がまるで語りかけてくるようでした。あの圧倒的な自然を前にすると、人はただ受け入れるしかないのだと感じます。過去を受け止めたからこそ、今の自分が立っている。その当たり前のことが、物語を通して深く胸に沁みました。

馳 星周さんの情景描写は本当に巧みで、風の匂いや湖面の揺らぎまで手に取るように伝わってくる臨場感があります。読み進めるほどに、登場人物たちの心の動きと自然の表情が重なり合い、読後には深い余韻が残りました。

 

クローゼット / 千早 茜
(新潮文庫)

服飾美術館で洋服補修士として働く纏子は、幼い頃の出来事から男性を怖れて生きてきます。一方、婦人服売り場のカフェで働くもまた、女性服を好むことで傷ついた過去を抱えています。特別展示をきっかけに出会った二人は、遠い記憶の糸で結ばれていたことに気づき、服の傷みと心の痛みに寄り添いながら、少しずつ前へ進んでいきます。

千早茜さんの作品には、ただ美しいだけではない “触れた瞬間に胸がざわつく質感” があります。以前に読んだ『西洋菓子店プティ・フール』でケーキの繊細さに心を奪われたあの感覚が、今回の物語ではさらに広がっていました。

十八世紀のコルセット、手編みのアンティークレース、現代のファストファッションに至るまで。時代も背景も違うのに、どれも「触れたいのにためらう」ような、布の重みや糸の温度まで伝わってくるようでした。

そして何より、自分の “好き” をまっすぐ追いかける登場人物たちが魅力的です。彼らのこだわりが、物語の世界をいっそう豊かにしていて、読んでいるこちらまで背筋をそっと伸ばしたくなるようでした。

 

高校入試 / 湊 かなえ
(角川文庫)

県内有数の進学校・橘第一高校で入試前日、「入試をぶっつぶす!」という貼り紙が見つかります。迎えた当日には試験問題がネットに実況され、学校側の混乱や保護者の非難が渦巻きます。疑心が広がる中、春山 杏子ら教員が真相解明に奔走し、人間の本性が浮き彫りになっていきます。

読みながら、ふと自分の高校時代を思い返しました。私にとって人生の分岐点は、どの高校を選んだかだった気がします。もっと頑張っていれば、違う未来があったのかもしれない、そんな “もしも” が頭をよぎるからこそ、物語の中で入試が揺さぶられる展開に「何やってんの!」と叫びたくなってしまいました。

物語としてはとても面白かったのですが、もし自分が巻き込まれていたら…と思うと、胸がざわついてしまいます。

:漫画

死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから 7 / 白川 蟻ん
(フロース コミック) 

ヴィンセントオリアナとの交際を認めてもらうため実家へ帰省していましたが、戻ったら真っ先に彼女へ愛を伝えようと胸を高鳴らせています。一方オリアナは、前世で二人が亡くなった日が近づき不安を募らせ、雨の中で彼の帰りを待ち続けます。 

物語はいよいよ終盤に入り、そろそろ決着がつくと思っていたのですが、まさかの展開に驚かされました。嬉しい気持ちと同時に、続きが気になりすぎて原作を買おうか迷いましたが、楽しみが減ってしまいそうで我慢しています。

オリアナヴィンセントが、一日でも早く幸せになってくれることを願っています。

 

ホストと社畜 3 / 河尻 みつる
(アクションコミックス) 

午前五時の歌舞伎町で出会った社畜の直人とホストのは、並んで朝ご飯を食べる時間が日常になっていきます。占いに落ち込むを励ましたり、料理に失敗した直人を助けたりと、なんでもない十五分が二人にとって大切なひとときになっていきます。友達でも恋人でもない心地よい距離感で、今日も明日も同じ場所で朝を迎えます。

前回読んだときは「いまいちかもしれない」と思っていたのですが、気がつけば何度も読み返していて、じわじわと良さが染みてくる作品だと感じています。

社会人の直人と、大学生でホストのという年齢や立場の違う二人が、お互いの価値観や考え方を自然に受け入れ、良い方向に解釈し合う姿勢がとても好ましく、読んでいて温かい気持ちになりました。

 

 

今月のおすすめは、

白川 蟻んんの『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから』です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!

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