2023年11月の読書記録*冬に読みたい『ホテル・メッツァペウラへようこそ』

読書記録

※本ページにはプロモーションが含まれています。

この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。

本選びの参考になれば嬉しいです。

 

お探し物は図書室まで / 青山 美智子
(ポプラ文庫)

連作短編集・司書・羊毛フェルト

小さな町の図書室には、人生に迷う人がふと立ち寄ります。不愛想ですが聞き上手な司書さんは、羊毛フェルトを作りながら本音をそっと引き出し、図鑑や絵本など意外な一冊と小さな毛糸玉を添えて手渡します。その不思議な選書が、訪れた人の背中を静かに押してくれます。

今回も、さすがの青山 美智子さんでした。読んでいて安心できるし、気づけば心がふわっと軽くなるんですよね。

本って、自分が感じたことが “正解” だと思いがちだけど、読む人の年齢や気分、そのときの状況で受け取り方が全然違うんだなと改めて感じました。

学生時代や職場で本を貸し借りしてきた中で、「これ絶対好きだと思う!」と渡した本が相手にはいまいちだったり、その逆だったり…なかなか難しいものです。

だからこそ、司書である小町さんの知識量と、相手にぴったりの一冊を選べる判断力には本当に感動しました。

 

ホテル・メッツァペウラへようこそ
1~3 / 福田 星良
(ハルタコミックス)

フィンランド・冬・ホテル

フィンランド・ラップランドの小さなホテル「メッツァペウラ」に、吹雪の夜に現れた謎めいた17歳の青年ジュンが迎え入れられます。厳しくも美しい大自然の中で、老紳士たちと共に過ごす日々を通して、彼の秘密と成長が少しずつ描かれていきます。

アットホームな雰囲気がとても心地よいのですが、サウナ文化ゆえか皆さんよく裸になるので、ジュンの背中にあるヤクザの刺青が目に入るたび、小心者の私はつい心臓がキュッとなってしまいます。

その一方で、ホテルの料理人であるクスタの娘のファビーが本当に可愛らしくて、見るたびにほっと癒されています。

 

総理の夫 / 原田 マハ
(実業之日本社文庫)

総理大臣・夫婦・駆け引き

相馬 凛子が42歳で総理大臣となり、夫の日和はファースト・ジェントルマンとして献身的に支えます。税制や原発など難題に挑む凛子の姿を日和は日記に記し、理想を後世へ伝えようとします。陰謀が迫る中でも、互いを信じ合う夫婦の絆が物語を動かす政界エンターテインメントです。

最初にこの本を手に取ったときは、その分厚さに少し身構えてしまったのですが、主人公の日記形式のおかげで思ったよりもすっと読み進められました。政治の描写は正直さらっと流し読みしてしまいましたが、それでも物語の流れは十分に楽しめました。

そして何より、『本日は、お日柄もよく』で大好きになったスピーチライター・久遠 久美さんが登場する場面。凛子さんの担当として現れるあのシーンは、思わず何度も読み返してしまいました。

 

うちのちいさな女中さん 4 / 長田 佳奈
(ゼノンコミックス)

昭和初期・女中・女主人

昭和9年の盛夏、東京でハナ令子さんから譲り受けたラジオで新しい習い事を始め、蚊に悩まされつつも冷やし珈琲を味わうなど充実した日々を過ごします。ある日、女学生の萬里に誘われて海水浴へ行くことになり、初めての海に胸を高鳴らせながら水着を用意して出かけます。

ハナちゃんは仕事はきっちりこなすのに、ちょっと愛想がないタイプ。でも、その不器用さの奥に、令子さんへのまっすぐな思いがちゃんと伝わってきます。

そして今巻では、彼女がどうして令子さんの家で女中として働くことになったのか、その理由が明らかに。あまりにも純粋で、読んでいて思わず嬉しくなってしまいました。

 

彼女が好きなものはホモであって僕ではない / 浅原 ナオト
(角川文庫) ※BL

BL・高校生・悩み

同性愛を隠して生きる高校生・安藤 純は、BL好きの同級生・三浦 紗枝の告白を受け入れ交際を始めます。しかしには既婚男性との関係があり、心は揺れ続けます。

冒頭の官能的な描写に「これって本気のBLなの?」と驚かされましたが、読み進めるほどに、安藤くんが “自分は何者なのか” と向き合う青春ストーリーへと変わっていきます。

安藤くんが傷つく場面も多いものの、彼の周りには不器用ながらも理解しようと寄り添う人たちがいて、その温かさに胸がじんとしました。

続編もあるようなので、読んでみたいです。

 

 

今月のおすすめは、

福田 星良さんの『ホテル・メッツァペウラへようこそ 』です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!

コメント