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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。
本選びの参考になれば嬉しいです。
:小説
結婚独身貴族 / 朝比奈 夕菜
(角川文庫)
結婚・友人・オタ活
小鳥遊 透子29歳、オタク。恋愛も結婚も望まないけれど、独り身の生きづらさには少し疲れていました。そんな時、大学時代の友人で超絶イケメンの永田 晴久から〈友情結婚〉を提案されます。草食系ゆえにモテすぎて貞操の危機を感じているという晴久と、利害が一致した透子は契約結婚を決意します。
読んでいるうちに私の恋愛脳が邪魔をしてしまいました。エピソードはどれも絶妙で、これだけ揃ってもフラグが立たないのかとモヤモヤ。多様性を描く物語としては魅力的なのに、どうしても “恋が芽生える展開” を期待してしまう自分がいました。
西洋菓子店プティ・フール / 千早 茜
(文春文庫)
スイーツ・パティシエール・人間関係
祖父が営む下町の小さな洋菓子店「プティ・フール」を舞台に、パティシエールの亜樹と店を訪れる人々の心模様が描かれます。甘いスイーツの裏側にある恋愛や仕事の悩み、家族への思いが静かに交差し、日常のほろ苦さと温かさがじんわりと広がる連作短編集です。
初めて読む作家さんでしたが、表紙に惹かれて手に取りました。しっかり焼き上げた菓子というより、デコレーションケーキのような繊細さと、触れれば崩れてしまいそうな脆さを感じる物語でした。
壊れてしまった関係に何が残るのか、そこから何を築けるのか。その問いが静かに胸に残ります。寺地はるなさんの作品が好きな方なら、きっとこの世界観にも惹かれるはずです。
時をかける眼鏡 宰相殿下と学びの家
/ 椹野 道流
(集英社オレンジ文庫)
タイムスリップ・貴族・医大生
マーキス島を襲った疫病は遊馬たちの尽力で収束したものの、国王ロデリックは小国の脆さを痛感し、未来を支える「民の教育」に希望を託します。ヨビルトンでの授業が好評だったことから、遊馬に学び舎の建設を命じ、彼はハンナを伴って再び集落へ向かいます。しかし現地では思いもよらぬ問題が待ち受けており、彼らは新たな試練に立ち向かうことになります。
シリーズ9作目となる本作は、ストーリーの緊張感よりも、やはり登場人物たちの掛け合いが魅力。今回もその期待を裏切らず、むしろ関係性の深まりが心地良かったです。女性キャラが少ない作品ではありますが、ハンナが良い意味で存在感を放ち、まさかの展開まで用意されているのが嬉しいところ。
そして何より、遊馬とクリストファーの距離感が近すぎて、台詞やモノローグをつい深読みしてしまうほど。二人のやり取りに “言外の温度” を感じてしまう読者は、きっと私だけじゃないはずです。
ぼんくら陰陽師の鬼嫁 1~5
/ 秋田 みやび
(富士見L文庫)
陰陽師・結婚・ホラー
野崎 芹は突然の事情で住む場所を失い、生活のために通りすがりの “自称 ”陰陽師・北御門 皇臥と契約結婚をします。ところが皇臥は、かわいい亀や虎の式神を連れているのに不思議な力はまったく使えない頼りない人物です。それでも二人は奇妙で温かな共同生活を始め、少しずつ心の距離を縮めていきます。
以前読んだ『三宮ワケあり不動産調査簿 賃貸マンション、怪談つき』がとても面白かったので、今回も期待してとりあえず五巻まで購入しました。
本作も “ゾワッ” とくるホラー要素はしっかりあるのですが、芹と皇臥の結婚生活や、義母・史緒佳との嫁姑問題、多才な式神たちのにぎやかなやり取りが加わり、怖さの中にも温度があります。
ただ、四巻までは陰陽師として依頼された案件を一つずつ解決していく構成なのに対し、五巻からは北御門家にまつわる因縁が本格的に動き出す気配があり、読む手が少しだけためらわれます。物語が “家の闇” へ踏み込んでいく予兆があって、心の準備をしてから進みたい、そんな気持ちになります。
:漫画
アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり 14 / 荒井 ママレ
(ゼノンコミックス)
薬剤師・ダイエット・トランスジェンダー
ダイエット漢方を飲んでいた女性が突然立てなくなり萬津総合病院へ搬送されます。薬剤師の葵 みどりは原因究明のため漢方の実態を調べ、同時に不信感を抱くトランスジェンダー患者の思いにも丁寧に向き合おうと努めます。
今はネットで薬が簡単に手に入る時代で、とても便利です。しかしその一方で、情報が限られていたり、正確性を見抜く力が求められたりもします。気をつけねば!
Shrink~精神科医ヨワイ~ 15 / 月子
(ヤングジャンプコミックス)
精神科医・虐待・自立援助ホーム
精神科医の弱井のもとで治療を続けてきた編集者・北野 薫子は、取材で訪れた自立援助ホームで子どもたちと触れ合い、心の奥の傷が揺れ動きます。17歳の早咲との衝突をきっかけに過去と向き合う彼女を、弱井は「再生のはじまり」だと優しく支え、家や家族の意味を問い直します。
日本で最も多い虐待である「心理的虐待」に焦点を当てた第15巻。長年苦しみ続けてきたアダルトチルドレンの葛藤が丁寧に描かれ、胸が締めつけられました。同時に、自立援助ホームという “もうひとつの居場所” の必要性を強く感じさせられます。
ハネチンとブッキーのお子さま診療録 3 / 佐原 ミズ
(ゼノンコミックス)
小児科医・アトピー性皮膚炎・発達障害
パワフルで頼れる看護師の山根さんは、五歳の息子が通うこども園の個人面談で発達検査をすすめられ、衝撃で胸が締めつけられるほど不安に沈んでいました。そんな時、小児科医の琴吹がそっと「一人で抱えなくていいよ。ゆっくり一緒に考えよう」と声をかけ、その言葉が山根さんの心を支えます。
アトピー性皮膚炎や発達障害のように、長く付き合っていく必要のある病気を子どもが抱えたとき、親や家族の負担は計り知れません。だからこそ、その苦労に寄り添い、そばで支えてくれる存在がいることが、どれほど心強いかが胸に響きました。
死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ) 6 / 白川 蟻ん
(FLOSCOMIC)
二度目の人生・謎・恋愛
舞踏会の幕が上がると、オリアナはヴィンセントの瞳を思わせる薄紫のドレスに身を包み、彼のもとへ歩み出します。かつては同じ目線で笑い合っていた彼も、今では凛とした青年へと成長していました。差し出された手にそっと指先を重ねた瞬間、二人のあいだに流れる温もりが、再会の時間を優しくつなぎ直していきます。
今回は学園での舞踏会ということもあり、女性だけでなく男性陣までキラキラと輝いています。意外な人物の素顔が垣間見えたり、ヴィンセントとオリアナの思わぬラブラブハプニングがあったりと、見どころがぎゅっと詰まった一夜になっています。
それでも、二人に迫る “死の運命” は確実に近づいています。事件の手がかりは依然として掴めないままで、こんなに幸せな時間を過ごしていていいのだろうかと胸がざわつきつつも、次巻で訪れるであろう転機を待たずにはいられません。
星降る王国のニナ 16 / リカチ
(BE・LOVEコミックス)
ファンタジー・王宮・不思議な力
ニナの出自と神々の秘密が明かされ、物語は最終決戦へ向かいます。アズールはニナを守るために大きな覚悟を決め、セトとの関係にも明確な決着がつきます。
正統な「星の姫」はニナであることが判明し、資格を失ったアリシャ姫が今後どのような行動に出るのか不穏な気配が漂っていて不気味すぎます。
それ以上に気になって仕方がないのは、目前に迫るガルガダ国とフォルトナ国との全面戦争です。物語がどのような結末へ向かうのか、目が離せません。
ホストと社畜 1~2 / 河尻 みつる
(アクションコミックス)
ホスト・社畜・朝定食
午前五時の歌舞伎町。薄明の牛丼屋で偶然隣り合ったのは、疲れ切った社畜・直人と、夜を生きるホスト・蓮。ただ並んで朝ごはんを食べるだけ。そんなささやかな時間から、ふたりの不思議な関係が動き出します。
ふたりが本当にそこにいるような空気感はとても魅力的で、最初は設定の新鮮さにも惹かれました。ただ、物語が進むにつれて設定の振り幅があまり広がらず、少し物足りなさも感じてしまって…。次巻は様子見になりそうです。

今月のおすすめは、
千早 茜さんの『西洋菓子店プティ・フール』です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!



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