※本ページにはプロモーションが含まれていて、試し読みについてはeBookJapanから掲載しています。
『本は日常』にご訪問ありがとうございます。
BLといえばひっそり愉しむものでしたが、最近ではドラマ「きのう何食べた?」の西島秀俊さん、「おっさんずラブ」の田中圭さん、「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」の赤楚衛二くんなど有名俳優人たちの出演で誰でも楽しめるエンターテイメントになってきました。
それでも漫画になると何を読んでいいのか分からない、激しい肉体関係までは…、と躊躇してしまう方もいるのではないでしょうか?
これから紹介する作品たちは、初めての方にも読みやすいように出会いからを丁寧に描かれたものを選んでみました。
※注意 性描写が含まれてることがあります。
五十嵐くんと中原くん / イサム
(あすかコミックスCL-DX 全6巻)
中学生時代、伸び切った黒髪で厚底眼鏡の真面目だけど報われない中原冬吾とリア充でイケメン優等生の五十嵐桜。過去を払拭するために高校デビューで金髪にし不良になった中原は、高校受験に失敗し素行の悪い奴らとつるむ五十嵐と同じ高校で再会することになります。
ちょうどこの記事を書こうとしているときに、映画「メタモルフォーゼの縁側」を観ていたら芦田愛菜ちゃん演じるBL好きの女子高生の佐山うららがおすすめとして宮本信子さん演じる市野井雪にこの作品を紹介していました。
隠れた名作だと思っていただけに、嬉しいようなそうでもないような複雑な心境です。
真っ直ぐだけど意地っ張りな中原と愛情深くて嫉妬深い五十嵐。友情から始まって恋愛感情に気づき、戸惑いながらも前に進む二人の姿に読む手が止まらなくなります。
また、本当の自分を見つける青春ストーリーでもあり読後感は爽やかでした。
山田と少年 / 三田 織
(CannaComics 全1巻)
クリスマスの夜に仕事帰りの山田が、同性の親友に失恋して泣きながら酔っ払って寝ている男子校生・千尋を拾う歳の差ピュアラブストーリー。
絵、話、雰囲気など全てが優しい。大雑把に見えるけど誠実な山田と傷つきやすくて周りの目を気にしてしまう千尋の二人の関係に、どきどきしながら読んでしまいます。
本編では社会人と学生だからか山田の方が先手を打って千尋を受け止めています。しかし、電子書籍で続きの「バラのアーチをくぐってきてね」を読むと、二人が対等になろうとするのが見れるようになり、これまで以上にgoodです!
ゴロウジロ! / 糸井 のぞ
(シトロンコミックス 全1巻)
小さくてしっかり者のサラリーマンのジロさんは、天使のような風貌だけどわがままで無職のゴロウさんと一つ屋根の下で暮らしています。
ゴロウさんはジロさんに恋心を抱いていて、意味深な発言をしたり、ジロさんとお風呂に入って髪を洗ってもらったり、ジロさんのほっぺたを触ったという会社の後輩に嫉妬したり、あからさまな態度をとっているのに天然のジロさんには伝わりません。
それでも強行突破に出れないのはジロさんに嫌われたくないから…。ゴロウさんがポツリと本音をこぼす場面があるのですが、何とも切なすぎます。二人にとっての本当の幸せが訪れることを願わずにはいられません。
ニューヨーク・ニューヨーク / 羅川 真里茂
(白泉社文庫 全2巻)
ニューヨーク市警に同性愛者だと隠し働いているケインは、一夜限りの相手を求め夜ごとマンハッタンに繰り出していました。しかし、理想の相手のメルに出会い運命の愛を見つけます。
この作品は雑誌「花とゆめ」で1995年〜1998年まで掲載されていて、当時の読者だった私はびっくりしました。普通の恋愛からファンタジーまで何でもありな雑誌だったとはいえ対象年齢は中高生以上、まさか濃厚なBLだなんて思いもしませんでした。
二人の関係だけでなく、ゲイであるがために家族に受け入れられない苦しみ、HIVに罹り亡くなった同僚、サスペンス要素のある事件、それにゲイカップルが養子をとることで発生する問題まであったりします。
実を言えば連載中はあまり好きではなく、大人になってまとめて読み返したときに面白いと感じました。
ゴールデン・デイズ / 高尾 滋
(白泉社文庫 全4巻)
危篤状態の祖父・相馬慶光の悔やみ続けた過去を変えるため、時を超えて大正時代にタイムスリップした相馬光也。若かりし日の慶光に瓜二つの光也は、訳あって失踪した慶光として過ごすことになります。
その慶光(光也)に想いを寄せるのは、イタリア人(母親)と日本人(父親)のハーフの春日仁です。母親譲りの顔立ちと緑色の目と赤茶の髪を持つ眼鏡の青年なのですが、四歳の頃に引き取られた春日の本邸では異国の血を嫌う祖母や一部の使用人に迫害されていました。そんな彼にとって屈託なく接してくれる慶光はいつだって特別だったのです。
仁が慶光に向けた気持ちが恋なら、光也の場合だって恋なのです。優等生で大人びた慶光とは違い不調法でわんぱくな光也。
仁とは衝突も多いけれど本音でぶつかり合い、お互いがかけがえのない存在になっていく様子に何とも言えない気持ちになりました。のちに起こる戦争を前にして、光也が生まれる世界だから守りたいという強い想いにグッときます。
BLに関係なく良い作品なので、ずっと機会があれば紹介したいと思ってました。文庫版には書下ろし漫画があるのでおすすめです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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