家族の絆が胸を打つ感動小説【おすすめ5選】

小説

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『本は日常』にご訪問ありがとうございます。

私は家族を描いた小説を好んで読みます。

それは友達や恋人よりも、ずっと変わらない人とのつながりや安心を感じたいから。

家族と言っても様々な個性があり一致団結するところもあれば、反発しあうところだってあります。困難を乗り越えた先に何を見出すのか?が醍醐味ですよ。

 

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そして、バトンは渡された / 瀬尾 まいこ
(文春文庫)

主人公の森宮優子(17歳)には父親が三人、母親が二人います。苗字は四回変わり家族の形態は七回変わってしまったけれど、いつだって親に愛されきた女の子。

2019年に本屋大賞を受賞した有名な作品で、題名てある「そしてバトンは渡された」の本当の意味を知ったときは、腑に落ちるとともに感動が押し寄せてきます。

現実ではそうそう無い設定で父親の再婚相手が子供を奪い再婚を繰り返すという一歩間違えれば犯罪なのでは?と思うのですが、作者の瀬尾まいこさんの手腕でどこまでも優しく纏められています。

 

とんび / 重松 清
(角川文庫) 

広島県を舞台に妻を亡くした市川安男が、まだ幼い息子を周囲に支えてもらいながら男手で育てあげます。

今ならシングルファザーという言葉を使った方が分かりやすいと思いましたが、良くも悪くも昭和の父親なので似合いませんでした。

声はでかいしがさつ、一見するとワガママもしくは偏屈に見えるかもしれません。それでも息子に注ぐ不器用で真っ直ぐな愛情は胸を温かくさせます。

そして二人を支える周りの人達の情の深さ、とくに薬師院の僧侶である海雲住職の言動が沁みます。

 

アンマーとぼくら / 有川 ひろ
(講談社文庫)

休暇で沖縄に帰省したリョウが「おかあさん」と二人で思い出の場所をめぐる三日間。

アンマーとは沖縄の方言で「おかあさん」という意味ですが、母親の春子さんとリョウの間には血のつながりがありません。

小学四年生で本当の母親を亡くした彼は北海道に住んでいて、一年足らずで再婚を決めてしまった父親と沖縄で暮らすようになります。

この父親が曲者で子供の心を持った大人(破天荒)でかなりやらかします。頼れる大人がいないリョウにとって実母のことが忘れられず反発していても、気配りができて自然体で接してくれる春子さんの存在は大きく、二人が次第に心を寄せ合う姿に目が離せなくなります。

現在と過去のリョウが交差していくファンタジー要素を含んだ展開にも注目です。

 

きみと暮らせば / 八木沢 里志
(徳間文庫) 

※猫の物語ではありません(笑)

十年前、連れ子同士の再婚で兄妹になったのんびり屋の陽一としっかり者のユカリ。五年前に両親が他界したので、陽一が仕事で稼ぎ中学生のユカリが家のことをしながら支え合って同じ屋根の下で暮らしています。

特別な事件は起こりません。猫との出会いやごはん、知り合いの畑の手伝いなど、ささやかな幸せにほのぼのとして和みます。

血の繋がらない兄妹にありがちな恋愛ではなく家族愛で描かれているのが良いです。

 

週末は家族 / 桂 望実
(朝日文庫)

小劇団を主宰する大輔と誰も愛せない無性愛者の瑞穂夫婦は、特殊な人材派遣のバイトをさせるために児童養護施設で暮らす演劇少女ひなたの週末だけの里親になります。

大輔と瑞穂は何かあったときに便利だからという理由で夫婦になり、使えると感じたからひなたを家族に迎えます。ひなたも息苦しい児童養護施設から抜け出すために二人を利用している殺伐とした関係。最初は営利目的で子供を利用するなんて最低だと思いましたが、Win-Winとしてとらえるべき?

そして問題のある三人が出した答えに家族のあり方を考えてしまいます。答え合わせとして数年後の続きを読みたいです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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