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当サイトは一か月間に読んだ本を、簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので違ったとしても気にしないでくださいね。
この記事が本選びの参考になれば嬉しいです!
てるてるあした / 加納 朋子
(幻冬舎文庫)
ささらシリーズの第二弾。第一弾である「ささらさや」は原作ではなく、ずいぶん前に碧也 ぴんくさんの漫画で読んでました。読み終えた感想として、登場人物は知っておいたほうがより楽しめると思います。
さて本作のあらすじですが、主人公である照代の両親は借金を返せず夜逃げし、置いて行かれた彼女は遠い親戚だという久代を頼って佐々良の町を訪れます。
もうね、心のずっと奥底では違うのでしょうが彼女の他の人に対する愚痴や文句が多くてうんざりします。それが嫌でしばらく置いていたのです、どうにかせねばと思い再び読み始めました。
後半の後半で伏線を回収するとともに物語が動き始め、彼女も変わり始めます。不覚にも泣きそうになってしまいました。真相はともかく彼女には変われるきっかけを、もっと早くに与えて欲しかったです。
勤労クレシェンド 1~2 / 小山 愛子
(ビッグコミックス)
もう何度も読んでいる作品です。
駅中のカフェで働くメガネ男子の恵須野さんは、表情が読めないので何を考えているのかわかりません。しかし目の前のお客様を第一に考える彼の想像力はたくましく、ありえぬ方向に暴走してしまいます。
結果としては現実と嚙み合っていないので残念な人になってしまい、なんだか可哀そうなのですがシュールな笑いを誘います。
一話が短く手軽に読めるので、眠いけど何か読みたい…。でも、がっつりは嫌…。というときに最適ですが、最初から読むと途中で止めれないのでそこが難点です。
東京すみっこごはん 雷親父とオムライス / 成田 名璃子
(光文社文庫)
2023/09に引き続き「東京すみっこごはん」です。
前作の登場人物に加えて新しい登場人物が出てきます。前回も思ったのですが、ほのぼのしている作風に見えるのに結構重めのテーマを扱っているんですよね。
表題作である「雷親父とオムライス」では老齢の有村さんと小学生の秀樹くんを描いています。秀樹くんは母親の言いつけで勉強ばっかりしているのですが、「すみっこごはん」で有村さんと過ごしてるうちに自分を変えるきっかけを見つけます。
料理ものというとその場で楽しんだり、過去の悩みを解決したりするものが多く読了感も軽めです(※あくまで個人の感想です)。もちろん、そういうのも大好きですよ。
しかし、このシリーズでは先の未来に繋がっていて、彼もしくは彼女がどのように生きていくのか想像してしまいます。
(収録作品)本物の唐揚げみたいに、失われた筑前煮を求めて、雷親父とオムライス、ミートローフへの招待状
猫と紳士とティールーム 1~2 / モリコ ロス
(ゼノンコミックス)
街にひっそりと佇む紅茶専門店「カメリアティールーム」。
店主・瀧は女性客のほとんどにイケオジと称され寡黙な紳士に見えるのですが、極度の人見知りで声が震えて小さいし、お客とまともに目も合わせられません。しかし紅茶のことになると人が変わったように饒舌になり、いつまでも語ってしまいます。
そんな彼を窘めるのは愛猫キームンくんの役目、頃合いを見計らい彼に飛び乗って邪魔をします。イケオジと猫なんて、最強コンビすぎます!
この漫画は繊細で濃密な絵で描かれていて、読む前はしつこく感じるのではないかと思っていたのですが、読んでみると瀧さんやキームンくん、他の登場人物に深みを持たせていて、この絵があってこそ!と思うようになります。
それは英国調で落ち着いた店内や、メニューにある「本日の紅茶」にも活かされています。お客に合わせて瀧さんが選ぶ紅茶はもちろんのこと、毎回変わるティーポットやティーカップは綺麗で繊細だったり可愛かったりします。
さりげなく登場するので食い意地のはってる私はお菓子のほうに目を奪われてしまうのですが、じっくり見返すと人によって全然違いますよ。
さきほどお菓子と書きましたがアップルパイ、ザッハトルテ、マドレーヌ、カヌレ、スコーン、苺のカスタードタルト、クランペット、バノフィーパイ、もうケーキ屋さん並み!!
紅茶二杯とお菓子付きで七百円、店が潰れないか心配するぐらいのコスパ良すぎです。ぜひ、行ってみたい!
恋するお菓子とエトランジェ 1~2 / サノ マリナ
(クリエコミックス)
お菓子メーカー「Cobara」で働くお菓子が大好きな佐藤 あみ(27)は企画部で仕事がしたいのに異動願いがなかなか受理されません。
現在の部署である営業部のおつかいでコンビニに立ち寄ったとき、彼女は外国の男性にコーヒーの買い方とそれに合うお菓子を訊かれ嬉しそうに紹介します。そして、お菓子が好きだという彼の笑顔にときめいてしまいます。
もう会えないと思っていたのに、営業部の一員としてフランスの大手スーパーマーケット・トレフルの新プロジェクトに加わることになった彼女は、コンビニで出会ったプロジェクトリーダのアラン・ジロー(45)にまさかの再会!
この漫画の魅力はジローさんだと言っても過言ではありません。
優しさと厳しさを併せ持ち、行動は迅速でスマート。笑顔には子供っぽさがあり、頬にキスとか、一人で残業してたら差し入れとか、いつも褒めてくれて味方になってくれます。何よりサスペンダーが似合いすぎ…!
もう、ジローさん好きになっちゃうじゃないですか!!
格好いい男性はいい匂いがしてるイメージなので、ジローさんの匂いも嗅いでみたくなります。変態ですかね?
マイ ベイカー 1~2 / らくだ
(ジーンLINEコミックス)
ふと思う、私お腹空いてるのかな?さてタイトルに「マイベイカー」とあるようにパン職人さんです。
ベイカリーミミィで働く店長の小岩 美々子は重労働で忙しい職場でも笑顔を絶やさずパワフルに仕事をこなします。しかしパン屋の現実を知ると従業員は辞めてしまうことが多く常に人手不足の状態。そんなときにバイトの新人・北くんがやってきます。
うーん…、パン屋での出来事をがっつり期待して買ったからなのでしょうか、恋愛重視だとなんだか物足りない。
それは私の完全なる好みの問題なので、仕事と恋愛を楽しみたいという人にはおすすめだと思いますよ。実際にレビューとか口コミでは高評価なので。
私をみつけて / 中脇 初枝
(ポプラ文庫)
こちらは前作の「きみはいい子」と同じ町を舞台にしたものです。
准看護師の山本 弥生は、三月に生まれたわけではなく、三月に病院の産婦人科の前に捨てられていたから名づけられました。
施設でいい子と言われてきた彼女は養父母に引き取られ、わざと悪いことをして親の愛情を試すのですが、また施設に戻されるという悲しい体験をします。
大人になってもいい子じゃないと捨てれられるという考えは変わらず、問題のある医師に対しても言いなりのままです。
何かで聞いたのか読んだのか忘れましたが「いい子というのは、誰かにとって都合のいい子」という言葉を思い出しました。
でも誰だって多かれ少なかれいい子を演じてるのではないでしょうか?
私だって上司に向かって思うことがあっても、後々面倒くさいので笑ってごまかすことは多々あります。彼女が捨て子だからじゃなくて、「大抵の人がそうなんだよ」と言いいたくなります。
それでも間違いを指摘し職場の意識を変えようとする藤堂師長は素晴らしいと思うし、優しい患者の菊池さんに出会えたことも幸運だと思います。
そもそもこの作品で、何が問題かというと現実では存在して欲しくないモラルの低い医者と、病院側のいい加減な管理体制なのです。
エミリの小さな包丁 / 森沢 明夫
(角川文庫)
主人公のエミリは上司との不倫がばれ職を失い、お金もなく家賃を払うのも精一杯。
本来なら家族に頼りそうなものですが、離婚した父親は再婚し新しい家庭を築き、母親は彼氏と同棲中。そして仲の良かった兄はアメリカにいます。
その兄の勧めで十五年も連絡を取っていない母方の祖父の大三おじいちゃんに連絡をとってみると、彼女が来ることを受け入れてくれて二人の生活が始まります。舞台となった龍浦は寂れた漁村で風鈴の音さえ響きそうな静かなところです。
エミリと大三おじいちゃんの距離感がすごくいい!
料理を中心に描かれた作品ですが彼女が立ち直るにはそれだけでなく、朝の散歩、風鈴作り、人々の出会い、龍浦での暮らしすべてが必要だと思いました。
森沢明夫さんの久しぶりに読むのですが、やっぱり優しい作品で癒されました。
(収録作品)第一章 猫になりたい カサゴの味噌汁、第二章 ビーチサンダル アジの水なます、第三章 彼女の毒 サバの炊かず飯、第四章 夜のブランコ チダイの酢〆、第五章 失恋ハイッタチ サワラのマーマレード焼き、第六章 やさしい武器 黒鯛の胡麻だれ茶漬け、エピローグ
赤ちゃんと教授―乳母猫より愛をこめて / 松田 志乃ぶ
(集英社オレンジ文庫)
仕事先の社長の家で居候をしていた有能なベビーシッター・西東 鮎子は、火事で住む場所を失ってしまいます。落ち着くまでは仕事もなく、実家に仕送りを送ってしまいお金もありません。
さまよう彼女は公園で乳母車に乗っていた赤ちゃんを助けたことから、イケメンで金持ちな大学教授・島津 伊織のもとで働くことになります。
オレンジ文庫らしく、女性の大好きが詰まっています。
島津教授は姉の息子を引き取って育てていて、すぐにでも恋に発展しそうな設定なのに雇用主と雇われシッターのままでした。ちょっと、残念…。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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