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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。
本選びの参考になれば嬉しいです!
ひろいもの / 山本 甲士
(小学館文庫)
連作短編・ひろいもの・主人公の成長
人生につまずいた人々が、偶然の「ひろいもの」をきっかけに自分を見つめ直し運命を変えていく物語です。セカンドバッグやサングラス、警察手帳など、思いの宿る道具を拾った瞬間から、彼らの世界は静かに動き始めます。5つの物語がオムニバス形式で交差しながら、再生への道のりを丁寧に描いていきます。
読みやすい文章と落ち着いた作風で、先の展開は読めるものの面白かったです。1作目の『セカンドバッグ』と3作目『バッジ』が好みでした。
フラダン / 古内 一絵
(小学館文庫)
高校生・フラダンス・東日本大震災
高校2年の辻本 穣は、押しの強い澤田 詩織に誘われ、気乗りしないまま気乗りしないままフラダンス愛好会に入ります。帰国子女の転入生・柚月 宙彦や、気になる同級生・林 マヤの存在も後押しとなり、個性豊かな男女混合チームが誕生します。東日本大震災から5年後の福島を舞台に、彼らは慰問活動に真剣に取り組み、「フラガールズ甲子園」優勝を目指しますが、仮設住宅でのフェス参加を通して現実と向き合うことになります。
仲間と困難を乗り越えたり、絆を深めたり面白いというより良い小説でした。
ミナトホテルの裏庭には / 寺地 はるな
(ポプラ文庫)
ホテル・祖父の依頼・恋愛
木山 芯輔は祖父に頼まれ、大正末期に建てられた「ミナトホテル」の裏庭で鍵探しをすることになります。金一封につられて訪れたその宿は、どこか影を抱えた「わけあり」の客ばかりが集う不思議な場所でした。さらに失踪した看板猫まで捜す羽目になり、戸惑いながらも人々の優しさや秘密に触れていきます。
主人公の木山 芯輔が感情をあまり表に出さない性格なので淡々と進むのですが、物足りなさはなく他の登場人物たちの距離感がいい感じでした。
ホテルに特異性を持たせたり現在の経営者である湊 篤彦の生い立ちや芯輔の同僚花岡さんとの関係など、やや詰め込みすぎですが雰囲気が好きだったので読後感は良かったです。
森崎書店の日々
続・森崎書店の日々 / 八木沢 里志
(小学館文庫)
古書店・失恋・主人公の再出発
貴子は恋人に「他の女性と結婚する」と突然告げられ、深い絶望の中で泣き暮らす日々を送ることになります。職場恋愛だったため会社も辞めざるを得ず、恋も仕事も同時に失ってしまいます。そんな折、変わり者として知られる叔父サトルから連絡が入り、「神保町の森崎書店で暮らしながら手伝ってほしい」と頼まれるのです。
久しぶりに読みましたが、何回読んでも面白いのでまた読むと思います。
みかんとひよどり / 近藤 史恵
(角川文庫)
ジビエ料理・狩猟・ミステリー
潮田 亮二は猟で遭難し、無愛想な猟師・大高に助けられます。ジビエ料理の夢を抱く潮田は、大高の獲物を店で扱いたいと願いますが断られてしまいます。それでも個性的で自分に正直な人々と関わる中で、潮田は少しずつ前へ進み、自分の生き方を見つめ直していきます。
ジビエ料理、美味しい!という簡単な話じゃなかったです。
シェフと猟師の友情とか、生きている命を奪うことについてのそれぞれの価値観とか。解説の坂木 司さんの見解になるほどと思ってしまいました。
この作品にはフレンチシェフの潮田 亮二が飼っているイングリッシュ・ポインターのピリカと猟師の大高が罠にかかっていたのを助けたマタベーという猟犬が登場するのですが、めちゃくちゃ可愛くてこの2匹だけでもずっと見ていたかったです。
ホテル・メッツァペウラへようこそ 5
/ 福田 星良
(HARTA COMIX)
フィンランド・ホテル・冬
ラップランドの小さなホテルで迎える“クリスマスから極夜の季節”を舞台に、アードルフの過去、ヤーナの来訪、ジュンの成長が交差する巻です。
アードルフの昔の恋人登場。子供たちが出てきて賑やかなのもいいけど、たまにはしっとりなのもいいですね。まるで映画を観ているようでした。
Artiste 10 / さもえど 太郎
(BUNCH COMICS)
フランス・レストラン・人間関係
ジルベールがマルコの故郷マントンで夏の休暇を過ごし、家族や街の温かさに触れながら少しずつ心を開いていきます。パリに残った仲間たちのエピソードも丁寧に描かれ、特にノアの葛藤が印象的です。大きな事件は起こりませんが、登場人物それぞれの感情が静かに揺れ、読後に優しい余韻が残る巻となっています。
ジルベールとマルコ。男二人の友情は進展していくのに、ジルベールに恋心を抱くエルザとはなかなかです。何故?

今月のおすすめは、
近藤 史恵さんの『みかんとひよどり』です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!




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