2025年10月の読書記録*ドラマが待ち遠しい『ザ・ロイヤルファミリー』!

読書記録

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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。

本選びの参考になれば嬉しいです!

 

[今月の新着記事]

 

:小説

ヴァン・ショーをあなたに
マカロンはマカロン / 近藤 史恵
(創元推理文庫)

フランス料理店「ビストロ・パ・マル」の店長兼料理長の三船 忍が、料理に関する謎を解くハートフルヒューマンストーリー。

『タルト・タタンの夢』の続編です。

フランス料理・偏屈なシェフ・ミステリー

『ヴァン・ショーをあなたに』は、ヴァン・ショーの隠された工夫、ブイヤベースを愛する女性客の意外な素顔、姿を消したパン職人の謎、そしてシェフの修行時代の思い出まで。

『マカロンはマカロン』は、蝶ネクタイの大学教師が海外研修で迎えた別れや、豚足をめぐる少年と母親の再婚相手の物語など、胸を打つ話が続きます。ベリーのタルトや豚足料理、ブーダン・ノワール、タルタルステーキなど料理も絶品ぞろいです。

三船シェフは、無口でスマートで、ちょっと偏屈。そんなイメージが先に立つのに、読み重ねるほど「この人、意外と可愛いところあるな」と気づかされます。

ミステリーなので、すっきり解決して幸せに終わる物語もあれば、解決したはずなのにどこか不穏な影を残す結末もあります。

その割り切れなさこそが、登場人物たちの生々しい人間味を感じさせてくれます。

 

ザ・ロイヤルファミリー / 早見 和真
(新潮文庫)

競馬・馬主・家族

競馬に人生を懸ける山王 耕造と、彼を支える秘書・栗須 栄治の28年を描く物語です。家族との断絶や夢の継承を軸に、人が誰かに託し、受け継いでいく姿を丁寧に描いた感動作です。

ドラマが始まると聞き、原作を読むべきか少し迷っていましたが、ストーリーの違いを見比べながら楽しむのも好きなので、思い切って手に取ってみることにしました。

最初は、主人公の語り口調や、どこか古めかしい人間関係に少し苦手意識があったのですが、馬たちが登場してから一気に物語に引き込まれます。

怪物級のロイヤルホープロイヤルファミリーと比べると見劣りしてしまうものの、ロイヤルイザーニャロイヤルリブランの健気な頑張りが愛おしくて、もっと登場してほしいと思うほどでした。

そして、この作品の大きなテーマである「継承」。人も馬も、親が果たせなかった夢を子が受け継いでいく姿には、胸が熱くなるような壮大さがあります。

それにしても、クリスさんは本当に涙もろいですね。そこもまた、この物語の優しさを象徴しているように感じました。

 

たまごの旅人 / 近藤 史恵
(実業之日本社文庫)

新米・添乗員・海外

念願の海外添乗員となったは、各地で参加者の特別な瞬間に寄り添いながら成長していきます。旅の醍醐味を知り始めた矢先、思いがけない転機が訪れ、彼女は新たな一歩を踏み出そうとします。

大きなクロワッサンの表紙からグルメ小説だと思い込んでいたのですが、実際は海外旅行ツアーの新米添乗員・堀田 遥の物語でした。

アイスランド、スロベニア、パリ、北京。ページをめくるたびに世界が開けていき、まるで自分もその地に降り立ったかのような高揚感に包まれました。読書で旅をする贅沢を、久しぶりに味わえた気がします。

 

息子のボーイフレンド / 秋吉 理香子
(双葉文庫)

息子・家族・LGBT

高校生の息子・聖将に突然カミングアウトされ、専業主婦の莉緒は動揺します。交際相手の雄哉は家事も介護もこなす好青年で、ひとまず交際を認めますが、夫に話せず心は揺れます。

主人公の莉緒がBL好きの腐女子だったり、彼氏が完璧な好青年だったり、友人が不妊治療の病院で働いていたりと、設定自体はとても豊富なのですが、そのわりに物語としての深みがあまり感じられませんでした。せっかくの要素が物語に十分に活かされていないように思います。

LGBT描写についても、良くも悪くも無難で、大きな新しさや踏み込みは感じられません。

 

約束の森 / 沢木 冬吾
(角川文庫)

ハンドラー・犬・任務

妻を亡くした元刑事の奥野は、元上司の依頼で北の僻地の別荘管理人を務めることになります。やがて謎の組織の存在が明らかになり、彼は愛犬マクナイトと共に再び立ち上がります。

ハードボイルドでシリアスな物語のはずなのに、ふと「え、これ笑わせにきているのでは…?」と思ってしまう場面があります。

マクナイトは元・警察犬として訓練を受けた経歴を持つとはいえ、想像をはるかに超える活躍を見せますし、奥野 侑也にいたっては、どう見ても “犬好きのおじさん” にしか見えません。

さらに、彼の偽家族として登場する娘役の葉山 ふみ、息子役の坂本 隼人、そしてふみが連れてきたオウムのどんちゃん。

物語が後半に進むにつれて、この “なんちゃって家族” の個性が次々と炸裂し、シリアスな展開の中にも思わず笑ってしまう瞬間が差し込まれていきます。

 

:漫画

根津さんの恩返し 1~2 / ハマサキ
(ブリーゼコミックス)

考えすぎて人とうまく話せないコミュ障OL・小宮 祥子は、駅でお菓子をぶちまけてしまいます。そこへ現れた空腹のハツカネズミ・根津さんが「願いを叶える」と申し出て、2人のコミュ障克服を目指す不思議な日常が始まります。

二本足で歩いて喋る、驚くほど賢いネズミが登場。サイズはハツカネズミでも、雰囲気は完全に “令和の楽俊” !

試し読みの勢いそのままに、即ポチしてしまいました。

楽俊とは、小野 不由美さんの『十二国記』に登場する半獣の青年で、人の姿とネズミの姿を持つ、とても博識で魅力的なキャラクターです。

私が『十二国記』や楽俊について感じたことは、下の記事にまとめています。

祥子根津さんの、まっすぐでちょっと不器用なところが本当に可愛くて、読んでいると自然とほっこりしてしまいます。

実は子どもの頃にすでに出会っていたという設定も、寿命を超えて生きる根津さんを“妖精みたいな存在”だと思うと、すごくしっくりくるんですよね。

 

 

今月のおすすめは、

早見 和真さんの『ザ・ロイヤルファミリー』です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!

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