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この記事は一か月間に読んだ本を簡単な感想と共に紹介しています。あくまで個人の意見なので作者の意図やあなたと違ったとしても気にしないでくださいね。
本選びの参考になれば嬉しいです!
[今月の新着記事]
:小説
声の在りか / 寺地 はるな
(角川文庫)
主婦・勇気・学童保育所
家庭に無関心な夫や、仲良くなれない息子の同級生の母親たち。小学4年の息子の悲痛のメッセージを目にした希和は誰にも言えず、息子が出入りする民間学童「アフタースクール鐘」で働き始めます。
周りに流されて言葉を選びつぐむことに慣れてしまうと、本音を言うことが怖くなってしまいます。
何らかの組織やグループに所属していれば共感出来る部分が多く、一歩を踏み出せた希和さんに勇気をもらえました。
さいごの毛布 / 近藤 史恵
(角川文庫)
老犬ホーム・スタッフ・事件
犬の最期を看取る老犬ホームでスタッフとして働くことになった智美が、犬との生活を通じて人として成長していきます。
人にもさまざまな事情があり施設を選ぶという選択肢もありだけれども、飼い主の迎えを待つ犬たちの心情を思うと切なくなります。
犬の寿命は人よりも少ない、智美の出会う犬たちにいたってはほんのわずかで、温かくて優しい毛布に包まれるように逝ければいいと思いました。
掬えば手には / 瀬尾 まいこ
(講談社文庫)
大学生・出会い・超能力
大学生の梨木 匠は平凡なことが悩みなのですが、中学3年生のときにエスパーのように人の心が読めることに気づいてから、その力を使って誰かを元気付けようとします。
設定にツッコミどころが満載だったのですが、瀬尾 まいこさんの作風に耐性がついていて、そういうものなのかと思って読んでいました。
残念なのは、あっさり終わってしまい余韻に浸れなかったことでしょうか。
その扉をたたく音 / 瀬尾 まいこ
(集英社文庫)
介護施設・人間関係・自分探し
ギターリストを目指す29歳で無職の宮路は、天才的なサックスの腕前をもつ介護士の渡部に出会います。もう一度、その音を聴きたくて介護施設を訪れた彼は、水木さんというおばあさんに出会いパシリとしてこき使われるようになります。
既視感?渡部くんを知っているような気がすると思って読んでいたのですが、『あと少し、もう少し』に登場していました。すっきり!
独りよがりなところがある宮路だけれども、他人に寄り添える力と妙に真面目なところが良くて、彼ならきっと自分の道を切り開けるはずです。
とわの庭 / 小川 糸
(新潮文庫)
障碍者・虐待・盲導犬
大好きなお母さんと暮らす盲目の少女のとわ。しかし、10歳の誕生日を過ぎた頃からお母さんが頻繁に家に帰ってこなくなり、その生活は失われてしまいます。
25歳でとわが保護されるまでが悲惨すぎて、潔癖症の方は無理かもしれません。
この物語に救いはあるのか?と思いましたが、新たなる人々との出会いや盲導犬・ジョイとの素晴らしい出会いがありました。
恨んでいいはずのお母さんを、ずっと愛し続けたとわの語る世界は優しかったです。
ふたつめの月 / 近藤 史恵
(文春文庫)
リストラ・犬・日常ミステリー
主人公の七瀬 久里子と、彼女に相談を持ちかけられる謎の老人の赤坂さん(前作では国枝さん)。2匹の愛犬が可愛すぎる日常ミステリー。
『賢者はベンチで思索する』の続編で、これだけで読むのは難しいとかじゃなくて、すごくもったいないです。
とくに久里子の家で飼われることになった、アンとトモと名付けられた犬たち。出会いや飼い主に心を開いていくさまは健気すぎて、続きをずっと読みたいと思っていました。
今回はさらに可愛いさが増していて、煩わしい登場人物たちとのやりとりに疲れても、この2匹に癒されました。
わたしたちに翼はいらない / 寺地 はるな
イジメ・復讐・殺意
同じ地方都市に生まれ育ち現在もそこで暮らす、他人から虐げられた経験を持つ3人。心の傷は恨みとなり、やがて殺意に変わります。
「あれ、寺地さん買ったはずだけど?」と、つい名前を確認してしまいました。
いつもはもっと不思議系で寄り添って癒される感じがするのに、迫力のあるサスペンスでした。いつもとは違う作風に良いのか悪いのかというと、どっちも読みやすいのでOKです。
ただ、時系列や語り手がわかりにくいところがあり混乱しましたが、話の展開としては面白かったです。
:漫画
月刊少女野崎くん 17 / 椿 いづみ
(ガンガンコミックス)
高校生・漫画家・ギャグ
無骨な男子高校生の野崎くんは恋愛ものが得意な少女漫画家。そのことを知らずに彼に告白した佐倉 千代はなぜかアシスタントに抜擢され、個性あふれる人々に出会うことになります。
漫画のネタ探しで暴かれるの堀先輩の本性。頭の良い人だと思っていたけれど、もはや人の心を操る策士でした。
とぼけた登場人物が多いこの作品、彼と編集者の宮前さんが登場することで、雰囲気がピシッと引き締まります。
彼女はNOの翼を持っている 2 / ツルリンゴスター
(アクションコミックス)
高校生・アイデンティティ・気遣い
自分の意見を尊重し周りに流されずNOと言える女子高生の佐久田 つばさ。そして他の人にもそうであって欲しいから、対話によって根本的原因を探ります。
家族、恋人、クラスメイト、それぞれ価値観の違う人たちに共感したり反発したり。
問題定義が常にあって漫画としては堅苦しさはあるものの、人の距離感について知りたい人には良いかもしれません。
スキップとローファー 12 / 高松 美咲
(アフタヌーンコミックス)
高校生・青春・主人公の成長
故郷である石川県の地域再生をすべく官僚になる決意をする岩倉 美津未は、過疎地の中学校をへて東京の進学校に入学。勉強だけでなく友情や恋に悩むキラキラ輝く青春ストーリー。
小出しにしてきた志摩 聡介の過去がガツンと描かれていました。愛情のかけ方を間違えた母親に育てられ人間不信になってしまった彼にとって、 美津未の素直さや明るさは救いです。
そうです、私が美容バカです。極ツヤ / まんきつ
(SHURO)
エッセイ・体験談・クレイジー
漫画家・まんきつさんと担当編集・柳川さんとの会話で進む美容コミックエッセイ。
もうネタなんか無いだろうと思っていたら、まさかの2巻です。1巻に劣らずのクレイジーっぷりに、到底参考になんか出来ません。
医療用ヒルに血を吸わせれば、私も綺麗になれる…、いやいや!無理ですから!!
Dressing 美容外科医 森野まりあ 1 / 山本 亜季
(ゼノンコミックス)
美容整形・医師・自信
美容外科医・森野 まりあの美容医療ドラマ。身体にコンプレックスを持っていることで、心が病んでいる患者に向き合い納得のいく施術を行います。
美容整形というと、不自然・ぼったくり・胡散臭いのイメージが強いのですが、乳がんによる乳房再建の話を1話目に読んだことでむしろ受けるべきものなのだと感じました。
他の収録作品にも言えることですが、読んでいて前向きになれる作品がいっぱいです。
猫と紳士のティールーム 5 / モリコ ロス
(ゼノンコミックス)
紅茶専門店・イケおじ・猫
街にひっそりと佇む紅茶専門店「カメリアティールーム」。店主の瀧さんと猫のキームンくんがお客様をお待ちしています。
今回は瀧さんの少年時代やキームンくんとの出会いなどが描かれていて、ふたりをもっと知ることができました。
眠れぬ夜はケーキを焼いて 4 / 午後
(単行本)
エッセイ・不安障害・生活
漠然とした不安に襲われて眠れない夜はお菓子を作って何とかやり過ごす、生きることに不器用な作者・午後さんのコミックエッセイ。
今回はアップルパイ、ミックスベリーのヨーグルトマフィン、お茶のフォンダンショコラなど他にも色々作っています。
大切な猫が天国に行ってしまい、さらに精神的に負担がかかってしまいそうで心配です。次回作が発売されたらすごくホッとします。

今月のおすすめは、
寺地 はるなさんの『声の在りか』です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、来月の記事でお会いしましょう!
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