ついに小説家・八木沢里志さんの新作を見つけました! BEST3

小説

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『本は日常』にご訪問ありがとうございます。

小説家八木沢里志さんの、温かくて優しい雰囲気の作品が好きです。

「森崎書店の日々」を読んだのをきっかけに、全作品と言っても少ないのですが一気読み。その後は気長に新作を待っていたのですがなかなか発売されず、Googlで名前で検索をかけても出てこず、失礼ながら執筆を辞めたかお亡くなりになったのかと思っていました。

それが最近になって、八木沢里志さんのブログ「やぎさわ便り」を発見!どうやら、スランプに陥っていたとのこと。しかも、新装版という表記に惑わされ見落としていたのですが、「純喫茶トルンカ」の続編が今年の10月に出版されていました。

これからも、新作を読めることに安堵しつつ、BEST3を発表。冊数がまだ少ないので、気負わずに選べてどれを読んでも面白いです。

 

第一位 きみと暮らせば (徳間文庫) 

両親を亡くし仕事で生活費を稼ぐのんびり屋の陽一としっかり者で家事をこなす中学生のユカリが支えあいながら、日常にささやかな幸せを見出します。

実をいうと、この二人は親が連れ子同士の再婚で血が繋がっていません。溺愛しているわけでもなく、冷めているわけでもない、適度な距離感の兄妹です。

好きなエピソードは、ユカリが隣の家のおじいさんの代わりに畑の世話をするところです。ユカリは真っ黒になりながらも農作業を楽しんでいて、同じ状況に置かれたらわずかな美白にしがみつき面倒だと文句をたれるであろう私には眩しく見えました。陽一がユカリの収穫した野菜を美味しそうに食べているのも微笑ましい。

何度でも読みたくなる二人なので、続編が出て欲しい!

 

第二位 森崎書店の日々 (小学館文庫)

職場の恋人に二股をかけられた貴子は、会社を辞め叔父のサトルが経営する森崎書店という純文学専門の古書店を手伝うことになります。

貴子の叔父であるサトルさん。居心地の良い場所を提供してくれたり、貴子のために怒ってくれたり、時間が経てば貴子の傷も和らいだであろうが自分の気持ちにけりをつけれたのはサトル叔父さんがいる森崎書店こそ。

その他にも手に取ったことがない本を読み耽ったり、語れる友達を見つけたり、同じ趣味の恋人に出逢ったり。最近は電子書籍を読むことが多いのですが、本の重みを手に取って感じたくなります。

 

第三位 純喫茶トルンカ (徳間文庫)

純喫茶トルンカは下町の商店街をぬけた分かりづらいところにある喫茶店。無口なマスターと看板娘の立花雫、大学生バイトの修一のもとに訪れるのは近所の人ばかり。ある日、「あなたと前世で恋人同士だったんです」と修一に突然語り出す女の子が現れて…。

飲食店を背景に描かれているのが個人的には好きなのですが、純喫茶トルンカは珈琲は美味しいけれど料理を題材にしたグルメ小説ではありません。

人同士の交流を描いていて、八木沢さんの作品のなかでは切なさ多めで若干の詠みにくさを感じるものの読後感は温かいです。

この作品に登場する、ナプキンバレリーナを作れたらちょっとした自慢になりそうです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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